画像:株式会社JERAより引用
国内最大の発電会社である株式会社JERAは2025年5月29日、積水化学工業株式会社および三晃金属工業株式会社と連携し、神奈川県横須賀市の横須賀火力発電所にて、フィルム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)を建物に設置する、共同実証試験を発表しました。
JERAによると、火力発電所の建屋にPSCを設置するのは、国内で初の事例です。実験は2023年から積水化学とJERAが行ってきた耐久性や発電効率の検証に続くもので、今回は施工方法や風への耐久性など、実用面について本格的な評価を行うとのこと。発電所内では、建屋の屋根や壁面にPSCを設置し、風雨や塩害など過酷な環境下での性能を継続的に観察するという内容です。
ペロブスカイト太陽電池は薄く軽量で、柔軟性に富むなどの特徴を持ち、従来のガラス型シリコン太陽電池に比べて、多様な場所への設置が可能です。曲げられる特性を持つため、これまで設置が難しかった建物の壁面や湾曲した屋根などにも対応できることから、高層ビルが立ち並ぶ都心部での発電が期待されています。また、日本が世界シェアの約3割を占めるヨウ素を主原料とすることから、国内での安定供給も期待されています。
JERAは、2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指す「JERAゼロエミッション2050」を掲げるなど、環境維持に力を入れています。実証実験を通して、火力発電所における活用や顧客向けソリューション提供など、様々な取り組みの検討を進める、としています。
参照ペロブスカイト太陽電池の共同実証試験を横須賀火力発電所において開始|株式会社JERA

