配膳ロボットのメリット6つ・デメリット5つを解説 

人手不足が進む飲食店の救世主として、近年、配膳ロボットが注目を集めています。導入を検討していても、「使うメリットは本当にあるのか?」や「どのくらいのコストがかかるの?」と、不安や疑問がある方も多いのではないでしょうか。
今回は、配膳ロボットのメリット・デメリットや、導入コストについて解説します。本記事を配膳ロボット導入の参考資料として活用し、業務効率の改善や従業員の負担軽減につなげましょう。

配膳ロボットとは

配膳ロボットとは、従業員に代わり飲食物や食器を自動で配膳してくれるロボットです。決められた場所に運べるだけでなく、音楽や音声を発して安全に配慮しながらの配膳が可能です。

配膳ロボットが注目されている理由

配膳ロボットが注目されている大きな理由は、人口減少により飲食店全体で人手不足が深刻化しているからです。近年、飲食業界では働き手の確保が難しく、従業員1人あたりの業務量が増加しています。
そこで、限られた人数でも滞りなく対応できるように、配膳ロボットの導入が進んでいます。

配膳ロボットのメリット

配膳ロボットのメリットは以下の6点です。

  • 人手不足の解消
  • 業務の効率化
  • 売上の増加
  • サービスの向上
  • 感染対策
  • 広告

配膳ロボットの導入により、従業員とお客さま双方の満足度向上も期待できます。ぜひ導入の参考にしてください。

人手不足を解消

配膳ロボットに配膳・下げ膳作業を任せることで、従業員はレジ業務やテーブルセッティングなどにリソースを割けます。その結果、ランチや夕食時などのピークタイムでも、人員を増やさずに店を回せます。
また、システムさえ組めれば、すぐに効率のよい配膳業務が可能になるため、人材育成の手間も要りません。このように配膳ロボットの導入は人手不足の解消へとつながるのです。

業務の効率化

従業員が業務を行う場合には、従業員の健康や安全を守るために休憩時間を設ける必要があります。そのため、誰かが休憩している間は、ほかの従業員がフォローしなければなりません。
一方で、配膳ロボットは休憩時間が必要ないため、大幅に業務の効率化ができます。

売上の増加

ピーク時は特に忙しいため、注文の受け取りや配膳に手一杯で下げ膳をする余裕がなく、新しい席を準備するまで時間がかかります。
配膳ロボットを導入すると、速やかな配膳と下げ膳が可能です。そのため、お客さまをスムーズに案内できるようになり、店の回転率を上げられます。
このように、より多くのお客さまをご案内できるようになるため、店舗の売上増加にもつながるのです。

サービスの向上

配膳ロボットの導入によって、従業員はテーブルセッティングやメニュー説明など「人にしかできないサービス」にリソースを割けます。
また、周囲を見渡す余裕が生まれ、お客さまへの献身的なサービスも可能になります。

感染対策

配膳ロボットの導入により人同士が接触する機会を減らせるため、飲食店の課題の一つでもある感染対策も可能です。
近年、飛沫対策や衛生面に関する意識が高まっています。安心して飲食店を利用してもらうためにも、配膳ロボットの導入は有効な手段といえます。

広告

現状では配膳ロボットを導入している店舗はまだ少なく、導入しているだけで話題になります。特にお子さまは料理を運ぶ姿に珍しさを感じ、興味を持ってくれます。
また、SNSでは配膳ロボットの写真をアップしていることも多く、店舗の広告塔としても期待できるでしょう。

配膳ロボットのデメリット

配膳ロボットを導入するうえで、以下の5点のデメリットも理解しておくとよいでしょう。

  • 導入コストがかかる
  • オペレーションの再構築が必要
  • 人のサポートが必要
  • 導入できる環境が限られる
  • 顧客との接触が減ってしまう

これから1つずつ解説していきます。

導入コストがかかる

配膳ロボットは高性能な機能が搭載されているため、安価ではありません。例えば、「BELLA BOT」を一括購入する場合には、1台につきおよそ370万円(税込)かかります。
複数台導入する場合はさらにコストがかさむため、購入台数に対してどのくらいの費用がかかるのかシミュレーションをするとよいでしょう。

オペレーションの再構築が必要

業務の一部を配膳ロボットが担当するため、従来の接客業務を考え直す必要があります。人手が余る部分と足りない部分のバランスが偏ってしまうと、効率的な店舗運営ができなくなるからです。
配膳ロボットを導入する前に、仕事の振り分けをシミュレーションしたうえで、導入を検討するとよいでしょう。

人のサポートが必要

配膳ロボットは、すべての業務を担えるわけではありません。出来上がった料理や使用済みの食器を載せる作業は、人が行う必要があります。
そのため、従業員の負担を増やさないためにも、配膳ロボットができる作業を把握しておく必要があります。

導入できる環境が限られる

現状、配膳ロボットを導入できる環境は限られています。例えば、店舗内に段差があったり、道幅が狭い店舗では使えないケースもあります。
導入の際は、配膳ロボットが問題なく稼働できる環境であるか確認が大切です。

顧客との接触が減ってしまう

案内から注文受付、配膳までを任せられる配膳ロボットもあります。このような場合、お客さまと接触する機会が減ってしまうケースも考えられます。
そのため、お客さまと従業員とのコミュニケーションが売りのお店では、導入がマイナスに働く可能性があるでしょう。

配膳ロボットの導入事例

実際に配膳ロボットを導入した結果、店舗運営の改善に成功した事例があります。埼玉県に店舗を構える「北海道生まれ和食処とんでん白幡店」は、人手不足に加えて人件費の削減が課題でした。
従業員を増やさずにお客さまを満足させるために、配膳ロボットの「Servi」の導入を決定。その結果、配膳と下げ膳時の移動時間の短縮に成功し、ピーク時に必要な人員を1人分削減できました。
このように、配膳ロボットが従業員の一員として活躍している成功例も多くあります。

配膳ロボットを導入する際のコスト

配膳ロボットを導入する際のコストは、1台あたり300万円台と高額です。
ただし、「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり補助金」などの利用で、導入コストの削減が可能です。各補助金制度を利用すれば、導入にかかる費用負担を軽減できるため、積極的に活用するとよいでしょう。

まとめ

配膳ロボットのメリットは配膳業務を一任できるため、人手不足の解消や人件費の削減に貢献できる点です。
配膳ロボットを利用すれば便利になる分、導入コストがかかります。ただし、ロボットの導入支援用の補助金や助成金の活用で、コストを抑えられます。
今後も人口減少が進み、働き手の不足が進むことも予想されるため、配膳ロボットを活用して、効率的な店舗運営を目指しましょう。