清水港で南海トラフ津波想定の防災DX│ソフトバンクら実証実験

画像:ソフトバンク株式会社より引用

ソフトバンク株式会社は2025年4月11日、清水港管理局とともに静岡県の清水港にて巨大地震による津波被害を想定した、デジタル技術を活用した「防災DX」の実証実験の結果を発表しました。

実験現場となった清水港は国内有数の国際貿易港であると同時に、南海トラフ地震など巨大地震による甚大な被害が想定されるエリアです。発災後わずか5分で到達する高さ3メートル超の津波が押し寄せるという予測もあり、迅速かつ正確な災害対応が求められてきました。

両者による実験は、こうした複合災害への備えとして、ドローンとクラウドシステムを組み合わせた防災DXを構築する内容です。実験は遠隔地からドローンを操作し、港湾施設をリアルタイムで俯瞰的に撮影できる、クラウド型の地上管制システム(GCS)を用いたドローン遠隔操作と、スマートフォンなどで取得した現地の写真や動画を位置情報とともにクラウドにアップロードし、地図上で一元管理できる「防災初動DXビューワー」による情報集約の2つの技術で構成。それぞれの検証が行われました。

実験には、清水港管理局や国交省中部地方整備局、港湾関連企業を含む約200名が参加しました。内容は災害を想定しコンテナ荷役を一時中断するなど、実災害を想定したものですが、実験により、危険地域に立ち入らずに現場状況を把握するクラウド制御や、現地で得られた情報を即座に共有できる仕組みの有効性が確認された、とのこと。ソフトバンク社は今後もテクノロジーを活用した災害対応の高度化を進め、港湾の安定稼働と人命保護に貢献していく方針を打ち出しました。

参照南海トラフ巨大地震に備え、ドローンを活用した災害時の初動対応を検証。清水港管理局とソフトバンクが実証実験|ソフトバンク株式会社