画像:KDDI株式会社より引用
KDDI株式会社は2024年6月20日、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)が建設中の新東名高速道路の新秦野IC~新御殿場IC区間をにて主催する「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」にて、路面標識損傷によるAIの画像認識トラブルや緊急停止時の遠隔操作遅延問題に対処する、路車協調技術の実証に成功したと発表しました。
KDDIによる実証実験の目的は、自動運転車の安全性向上です。自動運転車は各種センサー等の認識機能により走行するシステムですが、路面標識が損傷するなどしていた場合、正常に走行できない懸念が持たれていました。また、異常発生で緊急停止した場合において、オペレーターが手動での遠隔操作を行う際、通信遅延により事故が発生する可能性も指摘される問題でした。
同社は実施した実験は、こうした懸念に対して、通信技術による技術的なアプローチを試みる内容です。路面損傷に対しては、AI画像解析を用いて路面の異常を検知し、同社の得意分野であるセルラー通信を介してクラウド上の管制システムに送信。これにより、迅速に後続車両へ情報提供を行い事故を抑止するという内容です。また、緊急停止時には、通信遅延速度から実際の車両位置とオペレーター側の映像の誤差を予測する「遅延の見える化機能」を実装。オペレーター側の映像に実際の予測位置を表示することで、事故を防止が試みられました。
KDDI社は実験結果について、どちらも成功を発表しています。同社によると、車両に取り付けられたカメラ映像から、AIは区画線の剥離やその他の路面異常を正常に検出。通信機能にも問題なく、後続車両への速やかな通知も確認されました。また、緊急停止時の遅延についても、遠隔監視場所からの手動操作で車両を安全に退避できることを確認。自動運転に復帰させることにも成功しました。
今後、KDDIは実証実験の成果を基に、さらに高度な自動運転技術の開発を進めると発表しています。また、パートナー企業との協業を強化も予定し、自動運転社会の実現を目指して取り組むとしています。
参照NEXCO中日本と自動運転車の安全な運転を実現する路車協調技術の実証に成功

