米中大学の研究チーム、自動運転車の認識改変で事故誘発が可能と発表

中国の浙江大学や香港中文大学、米国シカゴ大学からなる研究チームはこのほど、自動運転車の信号認識能力に対してサイバー攻撃を仕掛けることにより、意図的に事故を引き起こせるとした研究論文を発表しました。

現在開発されている自動運転車両の大半は、認識用の特殊なカメラを使用したビジョンベースのシステムにより信号の点灯状況を認識しています。このため、研究チームは意図的にカメラを錯覚させることにより、事故を誘発することができるのではないかと推察したとのこと。

研究チームが、実証のためにエミュレーターと現実環境の2種において認識用カメラを騙すためのカラーストライプをレーザー照射したところ、両環境において認識改変が成功したとのこと。チームによると「赤信号→青信号」において約30%、「青信号→赤信号」において約86.25%の確率で成功が記録されました。

なお、チームは車両から約40mほど離れた環境から走行中の車両にレーザー照射しても、今回の認識改変は可能と主張しています。このため、認識用カメラに内在する脆弱性への対策が必要と提案しました。

参照Rolling Colors: Adversarial Laser Exploits against Traffic Light Recognition