画像:厚生労働省より引用
厚生労働省は2025年4月22日、同省が設置した「ハローワークAI検討プロジェクトチーム」の検討の結果、全国のハローワーク業務やインターネットサービスにAIを試験的に導入する実証実験の実施を発表しました。
厚労省によると、当面は全国10カ所のハローワークにおいて、職員向けのAIツールを試験的に導入する予定です。AIは、求職者に対して条件に合った求人を提案したり、求人者に対して条件緩和の案を示すなど、職業紹介業務の効率化が期待されます。また、求人票のチェックや求人レポートの作成補助、求職者や求人者からの問い合わせ対応、履歴書や求人票の作成補助、といった事務作業にも活用され、職員の負担軽減が図られます。
また、ハローワークインターネットサービス(HWIS)のユーザーに対しても生成AIの活用が計画されています。利用者が抱える疑問にチャット形式で応答する「コンシェルジュ機能」の試験運用を行う予定です。この機能は、AIが求職活動の進め方や求人情報の探し方などを案内し、必要に応じてハローワーク窓口への誘導も行うというもの。子育て中の人や障害のある人など、窓口に足を運びにくい利用者にも、オンラインで手軽にサービスが利用できる環境づくりが進められます。
厚生労働省は、今回の実証実験を通じてAI導入の効果や課題を検証し、2026年度以降の本格的な導入を検討する方針を示しています。AIの導入にあたっては、誤った回答を生成するリスクや個人情報の取り扱いといった課題もあるものの、こうした点についても検証を進め、安全で信頼性の高い公共サービスの実現を目指す方針です。
参照将来を見据えたハローワークにおけるAI活用について|厚生労働省

