「クルマウォレット連携」で複数人乗車でもドライバー特定可能に│トヨタ・コニック・アルファらが実証実験

画像:トヨタ・コニック・アルファ株式会社より引用

トヨタ・コニック・アルファ株式会社は2025年3月12日、クレカ大手の株式会社ジェーシービー(JCB)協力のもと、「クルマウォレット連携」の実証実験を発表しました。

同社が提唱する「クルマウォレット連携」とは、モバイル運転免許証(mDL)と超広帯域通信(UWB)および低消費電力Bluetooth(BLE)といった先端通信技術を活用し、ドライバーとクルマのデータをつなぐことを目的にした技術です。従来の車両通信はプライバシーの観点から個人の特定は困難でしたが、同社らはモバイル運転免許証の国際標準規格「ISO/IEC 18013-5」に着目し、プライバシーに配慮しつつドライバーを特定する仕組みを検証します。

新たな通信により、特に注目される変化のひとつとして挙げられるのが「誰がクルマを運転しているか」の特定です。今回の実証実験では、レンタカーを利用してドライブに出かける状況を想定し、運転席に座っている人物を測距技術で確認すると同時に、mDLによって個人を特定する試みを取るとのこと。これにより、複数人が同一車両を利用する場合でも、誰がどの区間を運転したかを明確に管理できるとされています。なお、クルマウォレットの活用例としては、ドライバーの到着タイミングに合わせた商品の調理や提供を行う「ジャストタイムオーダー」や事前登録情報によりガソリンスタンド到着時に必要なサービスを受けられるシステムなどが挙げられています。

両社は今回の実証実験について、モバイル運転免許証やUWB/BLEといった技術の社会実装に向けた第一歩となり、モビリティ領域における新たな課題解決とサービス開発の可能性が広がる、としています。

参照トヨタ・コニック・アルファ、JCB協力のもとモバイル運転免許証、UWB/BLEを活用する「クルマウォレット連携」実証を九州大学 伊都キャンパスで実施|トヨタ・コニック・アルファ株式会社