沖縄県にて研究用血液製剤のドローン配送実証実験│ANAグループが人手不足と緊急医療見据え

画像:ANAホールディングス株式会社より引用

ANAホールディングス株式会社は2024年11月8日、伊藤忠商事株式会社や沖縄県立北部病院、沖縄県赤十字血液センター、東京都立墨東病院と協力し、物流ドローンによる研究用血液製剤の空中配送実証実験を実施しました。

本実証は、これまで地理的要因で配送が難しかった沖縄県北部地域へ効率的かつ迅速な血液製剤の供給を試みるという内容です。配送用として選定されたドローンは最大4.5kgの荷重と90km/hの高速巡航が可能な「Wingcopter 198」で、実験期間中、浦添市と名護市間の約53kmをドローンを飛行する計画です。

沖縄県北部は近い将来、配送人員の不足や緊急医療ニーズの不足など様々な課題が懸念され、対応策を必要なエリアとして知られています。しかし、今回の配送物である血液製剤は緊急医療で必要とされる資源でありながら、温度管理が難しいため輸送方法が限定されていました。そこで本実証は、「Wingcopter 198」にスギヤマゲン社が提供する定温輸送容器を導入し、ドローン輸送中も適切な温度が保たれるよう、技術的な検証を行う予定です。血液製剤の品質が維持されることが確認できれば、ドローンによる医薬品輸送の信頼性が大きく向上すると期待されています。

ANAホールディングスは、実証実験を通じて得られた知見を活用し、緊急性の高い医薬品や医療品の定温輸送技術を活用したドローン配送サービスの社会実装を目指す、と発表しています。

参照沖縄県にて研究用血液製剤のドローン配送実証実験を実施