前橋市は2020年9月4日、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の実現に向けた協議会「新モビリティサービス推進協議会」の設立を明らかにしました。
同協議会は鉄道やバス・タクシーなどの各交通インフラ業界にNTTドコモや群馬大学などの合計9団体が参加する「前橋市でどのようにMaaSを実現するか?」を協議する組織です。MaaSは「移動のサービス化」とも呼ばれるもので、例えば電車やバス・タクシー・モビリティなどの運行ダイヤも決済方法も異なる各種移動手段をICT技術で効率化し、スマホ一本で最短&最安の予約や決済を行えるようにするというものが該当します。
前橋市は現在、このMaaSを「自分の市でどのように実現するか?」という視点に立って協議会を進めています。その一段階として「顔パス乗車できる」自動運転車の運行を計画するなど、将来的には地方社会必須のツールであるマイカーなしでも活動できる「交通強者」の街を目指すものと見られます。
手ぶら乗車ができる自動運転、顔パス決済で乗車可能に
地方社会において、マイカーは欠かせない存在とされてきました。しかし、自動運転技術の登場が、その常識を変えてしまうかもしれません。
前橋市協議会は「前橋版MaaS」の1施策として、顔パス乗車できる自動運転バスの運行を計画しています。市によると、利用者には事前にアプリなどを通じて自分の顔と決済方法などを登録してもらい、自動運転バスに搭載されたAIカメラが本人確認と決済処理を行うというもの。実現すれば手ぶらで乗車できるため、バス独特の現金払いや釣銭不足問題に悩まされることなく、移動に係るストレスを大幅に減らす効果が期待されます。
また、自動運転技術に対する不安も、前橋市は解決できるものと見ています。
同市ではより安全性の確保に欠かせない高精度な画像データ処理を実現するため、次世代通信規格の「5G」通信技術をエリア限定で展開するローカル5Gの導入を計画。また、2018年度より複数回に渡り実施してきた実証走行実験のノウハウを生かし、安全性の確保を進めるとの見方を示しています。
実証実験は2020年12月よりスタートし、今後さまざまなMaaS関連サービスとの連携も検討していくとしています。
参照自動運転バスは「顔パス」で 料金は自動引き落とし 前橋で12月にも実証実験/Yahoo!ニュース

