大型クレーンを次世代水素燃料エンジンに換装、カーボンニュートラル目指す実証実験

画像:国土交通省より引用

国土交通省と近畿地方整備局は2025年4月24日、神戸港において二酸化炭素を排出しない水素エンジンを搭載した荷役機械(クレーン)の現地稼働実証実験を開始し、稼働状況を公開しました。

同省による取り組みは、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする政府目標「カーボンニュートラルポート(CNP)」の形成を推進する一環として実施されるものです。内容は神戸港ポートアイランド第2期地区にて稼働する大型のタイヤ式門型クレーン(RTG: Rubber Tired Gantry crane)1基のエンジンを、ディーゼル型から水素型に換装するというもの。荷役作業を通じて稼働状況や温室効果ガス削減効果を検証し、水素燃料の安全かつ円滑な運用体制の確立が目標となっています。

実験対象となるクレーンを水素エンジンで稼働させる現地実証は、世界初の試みです。2025年度内にデータ取得と分析を行い、2026年度には、港湾施設の技術基準改訂に向けた検討が進めるとのこと。水素を燃料とする荷役機械の導入拡大に向けた環境整備が行われる予定です。なお、2025年4月24日には、報道陣向けにクレーンの稼働状況や水素燃料充填の様子を公開。クレーンが水素エンジンでコンテナを運搬する様子が確認され、環境負荷の低減効果に対する期待が高まっています。

参照港湾のカーボンニュートラル化に向け、神戸港で世界初実証~水素エンジンで稼働する荷役機械の現地稼働実証を開始~|国土交通省