4足歩行の産業用ロボット「SPOT」販売へ│ボストンダイナミクス

画像:ボストンダイナミクスより引用

米国の産業用ロボット開発企業の「ボストンダイナミクス(Boston Dynamics)」はこのほど、4足歩行で稼働する産業用ロボット「SPOT」を米国企業向けに販売すると発表しました。同社はこれまで「SPOT」をリース契約で販売していましたが、今回の発表で完全譲渡を実現。価格は米ドルで74,500ドルとのこと。

「SPOT」は4本の足と360度対応のセンサーを持つ、どうぶつをイメージさせるロボットです。全長は(500mm×1,100mm×191~840mm)で、重量は32.5kg、合計14キロの荷物を運搬する能力を有しています。

また、「SPOT」は高性能センサと独自機構の歩行システムを有しているため、従来ロボットが苦手としていた不安定な足場、複雑な環境下での移動も得意としています。例えば、鉄骨やベニヤ板などで作られた坂道やモノが散乱する現場環境においても、人間の邪魔をすることなく稼働可能。複数のアプリとアタッチメントを使うことで、多様なニーズへの対応が期待されています。

電気や工業、放射能に加え、医療分野でも活躍期待

ボストンダイナミクスは「SPOT」の範囲について、電気や工業、放射能に加え、医療分野やエンタメなど幅広い業界での可能性を示しています。

同社によると、「SPOT」は合計14キロの荷物を持ち上げ、運搬できるほか、アタッチメントを使用することでドアの開閉などにも対応します。ガスセンサーや放射能センサーなど各種検知機能を搭載できるため、ガス漏れの点検や放射能汚染の状況調査など、人間では難しい業務を担うことも可能です。

また、「SPOT」のセンサー部分にはオンラインカメラの搭載も可能なため、医師によるオンライン診断などが実現します。現場レベルにおいては、緊急事故発生時に専門家による救命指示を受けることで、より適切な救急措置を実施するなどの効果も期待されています。

参照SPOT/ボストン・ダイナミクス