協働ロボットとは?仕組みや活用シーン・おすすめのメーカー10選を紹介!

協働ロボットとは人と同じ空間で働く機械です。自社の業務を効率化するために、協働ロボットの導入を検討している方も多いでしょう。
今回は、協働ロボットの仕組みや活用シーン、おすすめのロボットメーカーについてわかりやすく解説します。本記事を読めば、協働ロボットの基礎知識を得たうえで、導入の判断ができるでしょう。協働ロボットを導入検討中の企業の皆さまは、ぜひ最後までご覧ください。

協働ロボットとは

協働ロボットとは、生産ライン上で人間と協力して作業をする機械です。協働ロボットは、全軸が80ワット以下のモータで構成される小型のロボットが主流で、ラベルの貼り付け業務や商品の積み込み業務など繊細さや正確性が求められる作業が得意です。
協働ロボットは安全柵なしでも人間と同じ空間で作業ができるように、速度や位置、力などの制限規定が細かく決められています。

協働ロボットの仕組み・構造

協働ロボットは一般的に6軸構成の多関節アームで構成されているため、奥行きのある動きができます。アームは隙間が十分に確保された構造になっているため、手や指の挟み込みの防止が可能です。

また協働ロボットには制御用のセンサーが搭載されており、人間が接近した場合には以下のようにセンサーが作動し、ロボットの動きを制御します。

  1. 人間がロボットへの接近を感知
  2. 作業スピードを低下させる
  3. 一定距離以上離れたことを検知
  4. 作業スピードを回復する

このように人間が協働ロボットに接触や接近すると、センサーが感知する仕組みが採用されているため、従業員の負傷リスクを低減できます。

協働ロボットの活用シーン

協働ロボットの活用シーンの例として、以下の3つが挙げられます。

  • 自動機に対する材料や部品の挿入・取り出し工程の自動化
  • ネジ締めなど組み立て作業の自動化
  • ラベルの貼り付け業務や製品の積み込み業務

協働ロボットは、さまざまな形状の材料をトレイから持ち上げたり、金型へ小さな部品を挿入したりといった、高精度な位置調整が求められる作業が可能です。

また、協働ロボットのなかにはトルクや角度・回転数の微細な調整が可能なロボットもあり、小型ロボットの組み立てラインなどでのネジ締め作業でも活用が進められています。

協働ロボットのティーチング方法

ここでは、協働ロボットのティーチング方法を紹介します。それぞれの特徴を理解したうえで、どの方法を自社で活用するべきかを検討しましょう。

オフラインティーチング

オフラインティーチングとは、パソコン上で作成したプログラミングをロボットへ教え込む方法です。オフラインティーチングはロボットを直接動かさないため、生産ラインを停止させる必要がなく、生産性の低下を防げます。

ただしオフラインティーチングでは、動作速度が期待通りにならなかったり、実際にロボットで再生すると位置がずれていたりする可能性があります。

オンラインティーチング

オンラインティーチングとは、専用のティーチングペンダントと呼ばれるコントローラーと協働ロボットをオンライン上で接続し、ロボットに動作を教え込む方法です。ロボットの動きや姿勢を直接見ながらティーチングできるため、オフラインティーチングよりも正確性が増します。

ダイレクトティーチング

ダイレクトティーチングとは、従業員が協働ロボットを直接操作することで必要な動きを教え込む方法です。専門知識や特別なスキルを必要とせず、直感的にロボットへ動作をインプットできるので、プログラミングスキルがない従業員でも簡単にティーチングできます。

AIを利用したティーチング

AIを利用したティーチングとは、従業員が対象のロボットに対して作業目標を指示するだけで、動作過程を自動的にAIが判断しティーチング作業を自動化できる方法です。ロボットはセンサーなどから得られる外部情報をもとに、最適な行動を選択できます。

おすすめの協働ロボットメーカー10選

ここでは、おすすめの協働ロボットメーカーを紹介します。協働ロボットの製造・販売をしているメーカーは、数多くあります。それぞれのメーカーが、どのようなロボットを開発しているのかを理解しましょう。

株式会社住友重機械工業

株式会社住友重機械工業は、最先端技術を活用した協働ロボットを開発しているメーカーです。同社が扱うRethink Robotics製の「SAWYER」は、使いやすさを意識して開発されておりプログラミングを行わずに、複雑な動作もGoogle Chrome画面で設定可能です。

株式会社フレアオリジナル

株式会社フレアオリジナルは、ファナックやデンソーウェーブなどの産業・協働ロボットを幅広く扱うシステムインテグレータです。同社が扱うロボットの一つである「DOBOT AMMR」は、2D・3Dビジョンと6節の多関節アームによって、奥行きのある動きを精度±0.5ミリの正確さで実施できます。

株式会社安川電機

株式会社安川電機は、1977年に産業用ロボットの発売を開始してからこれまでに50万台強を世界中に出荷しているメーカーです。同社が開発している「MOTOMAN-HC10DTPシリーズ」は、アーム部の隙間を確保し、従業員の手や指の挟み込みを防止できる安全な設計が採用されています。

株式会社デンソーウェーブ

株式会社デンソーウェーブは、産業用ロボットの開発・設計・販売を手掛けているメーカーです。同社が開発した「COBOTTA」は、コントローラーを内蔵しているのにもかかわらず、約4キロとかなり軽量なため気軽に持ち運べます。医薬品研究現場での繰り返し作業や学校でのプログラミング授業など、幅広いシーンで活用できます。

三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、高速・高精度な基本性能と知能化センサーを搭載した産業用ロボットを開発しているメーカーです。同社が開発した「ASSISTA」は、動作指示用の操作ボタンをロボットアームの上部に装備しており、難しいプログラミングを行わずとも簡単にティーチングが可能です。

ファナック株式会社

ファナック株式会社は、世界中の製造現場に革新と安心の提供をモットーに製品を開発するメーカーです。同社が開発した「小型協働ロボット CR-4iA」は、天吊りや壁掛け設置にも対応しているので、広い作業空間の確保が可能です。また質量は48キロと軽く、簡単に移設できる魅力があります。

オムロン株式会社

オムロン株式会社は、コントローラーやロボット、セーフティ機器など自動化に必要な製品を幅広く開発するメーカーです。同社が開発した「TMシリーズ」は高解像度かつ広い視野角を持つ「5Mピクセルカメラ」を搭載しているので、検査・計測・仕分け・位置決めなど繊細な作業で活用できます。

IDECファクトリーソリューションズ株式会社

IDECファクトリーソリューションズ株式会社は「システム」「安全安心」「最適な手段」をモットーに、産業用ロボットを開発しているメーカーです。同社が扱う「協働ロボットJAKA」はタブレットPCや携帯電話、パソコンから気軽に教示が可能で、操作もドラッグ&ドロップで簡単です。

桜田電気工業株式会社

桜田電気工業株式会社は、多種多様な会社の産業用ロボットを取り扱っているメーカーです。同社が扱うユニバーサルロボット社の「ユニバーサルロボット」は、ロボットの利用経験がない従業員でも設置後から初期作業にかかる時間は約1時間未満です。そのため、いち早くロボットを現場に導入したい方に適しています。

株式会社不二越

株式会社不二越は、自動車生産ラインで培ったノウハウを活用して産業用ロボットの分野においても活躍の幅を広げるメーカーです。同社が扱う「CZ10」は、独立補助や選別作業などに活用できる協働ロボットです。アームには丸みを持たせているデザインを採用しているため、危険性が少なく安心して利用できます。

まとめ

協働ロボットは、検査機からの取り出し工程やネジ締め作業などの自動化に活用できます。本記事で紹介したロボットメーカーを参考に、自社で導入する協働ロボットを決定しましょう。