米国大手スーパーマーケットのウォルマートはこのほど、米国臨床研究事業者の「Quest Diagnostics(クエスト・ダイアノティクス)」が提供する家庭用コロナウイルスの検体採取キットをドローン配送するサービスを試験運用すると明らかにしました。
同社によると、今回の実験は新型コロナウイルス蔓延後の社会に求められる「コンタクトレス」に向けた試みとのこと。
ドライバーによる配送サービスでも宅配ボックスや置き配など様々な対策が取られていますが、同社は運送において一切のひとの手を介さないドローン配送にその答えを求めた形です。
ドローン配送ならキット代&送料無料に!
ウォルマート社は今回の実証実験において、顧客側に2つのメリットを提供しています。
1つ目は、先に挙げた「コンタクトレス」です。新型コロナウイルスの影響は、今後数年にわたり継続するとの見方もあります。ウイルスが人から人へと感染していく点を考慮すると、今回の実験における空中配送やドロップ(投下)方式は、感染を徹底して防ぐ働きが期待できます。
2つ目は、ドローン配送を選択した利用者に、検査キット代や配送料を無料にする決定です。もちろん、この決定には実験段階という意味があってのものと見られますが、ドローン配送はドライバー配送と比べ人件費の抑制につながります。仮に、今後実用レベルにまで普及すれば多くの物流サービスで配送コストの低減が期待されます。
無論、問題点もあります。最も大きな課題は、やはり航続距離の短さです。ドローンの航続距離は期待により差がありますが、地上配送のようにはいきません。今回の実験でも配送拠点から約1.6km程度のエリアにしか配送できず、この課題をどのように解決するかが、ドローン配送のカギを握っていると言ってよいでしょう。
参照ウォルマート、コロナ検体採取キットのドローン配達試験を開始
参照Walmart is using drones to deliver Covid-19 tests