ANAが積荷の仕分けや搬送をロボティクス化|九州佐賀国際空港

画像:ANAより引用

大手航空会社の全日本空輸株式会社(ANA)は2020年9月25日、同社が運用している九州佐賀国際空港のターミナル内の手荷物コーナーにて、機内預かり扱いの積み荷の仕分けや搬送などの一連の業務をロボティクス化するための試験運用を実施すると明らかにしました。

今回同社が実施を決めた実験は、社がこれまで実施してきた一部ロボットの運用を集約化したもの。

ANAでは過去、航空機から降ろした荷物を自動運転車に運送させたり、ロボットアームによる積み付けなどを任せてきましたが、今回の実験ではこれら各技術を取りまとめ、「積み付け~航空機」間の一連の業務をロボット化。ベルトコンベアーの上を流れる航空貨物を天吊りされたロボットアームがキャッチし、これを自動運転機能を搭載したトーイングトラクターに積み込み、自動運転車が目的地まで運び込むなどの仕組みを作り出し、新たな働き方を構築するとしています。

進む自動化、ANAはトーイングトラクターを実用化

ANAをはじめ、各種物流・交通業界の各企業は、急速にロボット・AIの導入を進めています。特に運搬や積み込み、仕分けなどを機械化しようとする動きは非常に強く、「将来、人の手は必要なくなるのではないか?」と懸念する声すら出ています。

例えば、ANAは航空機~荷捌き上の貨物を自動化するためのトーイングトラクターを運用実験を進めていましたが、2020年3月には実用化しています。また、日本政府は自動運転バスや自動運転トラックの実験を繰り返ししており、運送・交通の両面において省力化を推し進めている状況です。

今回のANAの実験は、これらを集約し、ある範囲の業務全体をロボット・フロー化する動きです。個別業務の一部ロボット化とは大きく異なる試みで、多くの注目が集まっています。

参照手荷物の積み付けから搬送まで一連の工程のSimple & Smart化に着手/ANA NEWS