カスタマーサクセスプラットフォーム及び、世界シェアトップのCRM(顧客関係管理)を提供するSalesforce.com(以下セールスフォース)は2016年9月19日、新たに機械学習プラットフォーム「Einstein(アインシュタイン)」を発表しました。
セールスフォースの会長兼CEOマーク・ベニオフ氏は、今回の新型プラットフォーム発表に際し、以下コメントを出しています。
セールスフォース・ドットコムは、Salesforce Einsteinを通して、世界で最もスマートなCRMを提供します。Salesforce Einsteinが、あらゆるSalesforceユーザーのデータサイエンティストとなり、お客様誰もがそれぞれのビジネスシーンに合わせて最先端のAI機能を簡単にご利用いただけるようになります。
世界で最もスマートなCRMを目指して
セールスフォースは2013年からこれまでに、機械学習やディープラーニング(深層学習)を使ってサービス提供を行うスタートアップを9社買収し、175名のデータサイエンティストを同社へ迎え入れています。
同社では、買収したサービスを基に「SalesforceIQ」等のサービス提供を行ってきましたが、今回改めて機械学習/AI(人工知能)関連のサービスを「Einstein」の名称に統合し、“AIプラットフォームサービス”として定義づけしたのです。
Salesforce Einsteinで何が出来るのか?
Salesforce Einsteinを導入することで、Salesforceが提供する既存クラウドサービスにAI機能が組み込まれます。
- 顧客データ
- Chatter
- メール
- カレンダー
- eコマースの活動データ
- ツイートや画像などのソーシャルデータストリーム
- IoTのシグナル
Salesforceの保有するこれらのデータを利用し、顧客に最適な「モデル」を提供するのです。
また、この「モデル」に関しては、先進の機械学習やディープラーニング、予測分析、自然言語処理、データディスカバリーにより、一人ひとりの顧客に合わせて自動で“カスタマイズ”も可能です。
さらに、モデル内では継続的に「対話」が行われ、データが追加されるたびに「学習」と「セルフチューニング」が実行されることで、より的確なものへと進化します。
プラットフォーム内では、関連するインサイトが自動探索され、将来の行動を予測。
次に実施するべきアクションが事前に提案するとともに、各種タスクの自動処理まで行われます。
公式HP▷Salesforce.com/Salesforse Einstein
AI革命の幕開けとなるか
今日、AI(人工知能)は、様々なカタチで私たちの生活に活動領域を広げています。
たとえば、AppleのSiriでは、自然言語処理によって音声コマンドを認識しています。
またFacebookでは、ディープラーニングを活用した顔認識アルゴリズムにより、約98%の精度で即座に人の顔を識別しているのです。
さらに、AmazonやNetflix、Spotifyのサービス等では、膨大な商品カタログから、各アイテムの関連付けやユーザーとのマッチングを機械学習で処理しています。
この様に、AIが得意とする「学習」「分析」「データを基にした予測」等の活用は、私たち人類の活動をより高い次元で快適にする画期的ツールなのです。

