網膜インプラントで可読文字数の増加確認│Science Corporation

画像:Science Corporationより引用

ブレイン・コンピューター・インターフェース(脳とチップをつなぐ技術・BCI)開発事業者の米Science Corporationが2024年10月、加齢黄斑変性症(AMD)により視力を失った人を対象にした網膜インプラント「PRIMA」予備研究結果を発表しました。

Science Corporationが開発するPRIMAは、極小の電子チップを網膜の裏に埋め込むことで使用するシステムです。埋め込まれたチップは、専用のメガネ型カメラとセットで運用し、カメラが捉えた情報を特殊な赤外線でチップに送信することで、脳に情報を伝えるという仕組みをしています。なお、チップにはズーム機能もあり、文字や物体を拡大して視認することも可能とのこと。

同社によるとPRIMAシステムの実験にはAMDに悩む38名が参加し、手術を受けました。実験期間中、6人が実験の対象外となりましたが、手術から6カ月~1年後に残る32名の視力を検証したところ、最高で59文字、平均で23文字多く読めるようになったことが確認されました。可読文字数の改善は、通常の生活で文字を識別できる水準に近づいたことを意味しています。

Science Corporationは、欧州市場の承認などを通して、PRIMAシステムを数年以内に実用化する方針です。先進技術による視覚障害の新たな治療法として期待が寄せられています。

参照Science Announces Positive Preliminary Results For Vision Restoration In Pivotal Clinical Trial