中国の交通事業者である巴士集団は2024年8月26日、中国広東省深圳市にて、電動自動運転バス「B998」のテスト運行を開始しました。
「B998」は中国の人工知能関連事業者である商湯科技(センスタイム)が開発した自動運転システム「絶影」を登載した車両です。絶影はカメラやレーダー、レーザーライダー等車両側からの情報に加えて、道路側からの情報を統合し自動運転を行うシステムで、2023年に行われた上海国際車展では複数の導入車両が明かされたほか、30以上の車両での導入実績を有しています。
2024年9月現在、「B998」は深圳市の前海エリアにて、事前予約制の試験的な運行をしています。現地の規制により運行時は安全監視員が搭乗しているものの、交通量の多い深圳市においても、巡行や車線変更も自動運転による判断で行われています。予約搭乗した日本貿易振興機構(ジェトロ)は車両について「車線変更がややスムーズさに欠け、巡航速度が他の車両よりも若干遅いなどの課題が見られたものの、全体的な走行は安定していました」とコメントしています。
運行会社の巴士集団は、2024年内にも自動運転バスの路線を3本追加し、合計4路線で運行する計画を立てています。導入される電動自動運転バスは合計20台にも及ぶ見通しで、ビジネス面からも加速の勢いを見せています。