株式会社PFUは2024年9月3日、株式会社IHI検査計測とともに産廃処理場の火災を防ぐため、人工知能とX線照射を組み合わせた、リチウムイオン電池検知システム(LiB検知システム)の実験を発表しました。
車から携帯電話まで幅広く使われるリチウムイオン電池(LiB)は、現代社会にとってなくてはならない存在です。しかし、産廃処理場ではその広い普及が災いし、適切に処理されないまま廃棄されたLiBが処理場内で火災を招く事態が複数確認されています。処理場ではLiBによる火災を防ぐために様々な対策を講じていますが、完全に防ぐことは難しく、社会的な課題のひとつとなっていました。
両社による今回の実験は、人工知能によりLiBを検知し火災を防ぐシステムの試みです。廃棄物分別特化AIエンジンとして開発されたLiB検知に長じたAIエンジンを開発し、これを画像認識と組み合わせるもの。AIには自社のスキャナー開発で培った技術を、認識用画像にはX線画像を用いることで、不適切処理による火災の原因となりうるLiBを特定し、作業員の負担軽減を目指します。
両社は実験において、不燃ごみ、プラスチック、小型家電など、様々なごみラインに対応可能であるとして、町田市の旧リサイクル広場まちだにて実験を行う予定です。実験後は得られたデータを抽出し、製品化を目指すとしています。
参照町田市との共創活動による、搬入不適ごみ検出(リチウムイオン電池など)に関する実証実験を開始