双日や東芝ら3社、次世代技術で約10分の超急速充電EVバス実証実験に成功

画像:株式会社 東芝より引用

双日株式会社は2024年6月20日、株式会社東芝およびブラジルのCBMM社とともに、ニオブチタン酸化物(Niobium Titanium Oxide、以下、NTO)を負極に用いた次世代リチウムイオン電池の共同開発に成功し、約10分の超急速充電が可能なEVバス実証実験を開始すると発表しました。

NTOを負極にする技術は、自動車業界における次世代リチウムイオン電池と目されている技術のひとつです。従来の黒鉛を用いた電池と比べて2倍の理論体積容量密度を持ち、電気自動車の運用コスト削減や充電速度・寿命の向上が期待されています。3社は開発成功を契機にフォルクスワーゲン・トラック・アンド・バスが開発したEVバスにこれを搭載。2024年6月19日より、ブラジル・ミナスジェライス州のアラシャ鉱山にて実証実験を開始しました。

3社は実証実験について、急速充電および走行距離において達成を発表しています。同社らによると、電池の充電速度、走行性能、耐久性などを評価したところ、NTO電池を搭載した電気バスは約10分という超急速充電での稼働を確認。さらに実用的な走行距離を達成したとして、肯定的な評価を下しています。

3社は今後、NTOを用いた次世代リチウムイオン電池の商業化に向けてさらなる研究開発を進める方針です。2025年春を目標に『SCiBTM Nb』として製品化し、、グローバル市場での販売を目指すとのこと。また、商用電気自動車への搭載や道路インフラのエネルギー管理システムへの展開も視野に入れるとしています。

参照東芝、双日、CBMMが超急速充電に対応するニオブチタン酸化物を用いた次世代リチウムイオン電池搭載の電気バス試作車を公開