エビ養殖で汚泥など活用したクリーン発電│インターネットイニシアティブなど実証実験

画像:株式会社インターネットイニシアティブより引用

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は2024年6月13日、裕幸計装株式会社、九州大学、工学院大学ともにエビの養殖で排出される汚泥とIoTを組み合わせたクリーンエネルギー発電システム「省エネ型エビ養殖統合システム」の実証運転を、2024年7月よりベトナム・ティエンザン省で開始すると発表しました。

実験の中核を担う「省エネ型エビ養殖統合システム」は、「循環型エネルギー創出ユニット」と「エビ増産ユニット」の2つのシステムで成り立つ技術です。前者の循環型エネルギー創出ユニットは、養殖汚泥とレモングラスの加工廃棄物を発酵しバイオガスを生成。固体酸化物形燃料電池(SOFC)に供給し発電するというものです。後者の「エビ増産ユニット」は、エビ増産ユニットは、IoTデバイスとクラウドシステムを使い、溶存酸素濃度、pHなど水質環境の計測やバイオガス発酵槽とSOFCの状態監視などを含むデータの保存、可視化を実施。養殖環境とエビの育成状況との相関性を分析することで、養殖効率向上を目指すというシステムです。

実験の背景には、ベトナムの養殖産業が抱える環境・エネルギー問題が影響しています。同国のエビ養殖産業では、電力供給不足や養殖汚泥による環境汚染、温室効果ガスの発生、病気の蔓延など複合的な課題が浮上しており、IIJ社らはこれを解決するため、バイオガスによるCo2削減、より効率的な養殖システムの開発を行ったとしています。

同社によると、実証運転は2024年7月~2025年6月にわたり行われる予定です。将来的には、ベトナム全土のエビ養殖場への展開も目標にしているとのことです。

参照日本初!グリーンエネルギーとIoTを活用したエビ養殖に挑戦