「学習段階でも侵害はあり得る」文化庁が生成AIと著作権の考え方を公表

文化庁はこのほど、同庁が募集していたAIと著作権に関するパブリックコメントの結果を踏まえ、生成AIの開発行為と著作権に焦点を当てた文化審議会の考え方を公表しました。

パブリックコメントとは、行政機関がある課題に対するルールを定めようとする際に、事前に、個人・法人問わず広く一般から意見を募る制度です。同庁のパブリックコメントは、2024年1月23日から2月12日までの約3週間にわたって募集されましたが、注目度は非常に高く、約2万5000件の意見が寄せられました。

文化庁は開催した文化審議会において、AIの学習段階でも著作権を侵害する可能性があるという考え方を示しています。生成AIは、ベースモデルを構築する学習段階とプロンプトに従って出力を生成する二つの段階に分類されますが、特に、特定のクリエーターの作品を意図的に集中的に学習させる行為や、学習を制限する措置を講じたウェブサイトのデータを学習に使用した場合は、著作権の侵害に当たる可能性があるとの考え方です。

著作物に対する権利の保護とAI活用のバランスは多くの国で議論を巻き起こしています。日本においても例外ではなく、文化庁は3月開催予定の著作権分科会に報告し、その後広く周知する計画です。

参照「AIと著作権に関する考え方について(素案)」パブリックコメントの結果について/文化庁