南海トラフ想定のドローン医薬品配送実験結果公表|ケーエスケー、和医大、NTT Com

株式会社ケーエスケーは2023年4月18日、同社および和歌山県立医科大学、NTTコミュニケーションズ株式会社の3者で、ドローンによる医薬品の空中配送の実験結果を公表しました。

ケーエスケー社らが実施した実験は、南海トラフ地震を想定したドローンによる偽薬の空中配送実験です。現場の和歌山県立医科大学周辺は津波発生が想定される区域であり、陸路が使用できない状況を見込んでの実施とのこと。実験は医大の側を流れる和歌山河川ルート(レベル2)約1,5kmで行われましたが、法改正による「レベル4(有人区域飛行)」を視野に入れ実施したとしています。

実験は輸送品質、セキュリティ性、ドクターヘリ指令室との連携の3点を評価されました。同社によると空中配送に要した時間は7分36秒で和歌山医大図書館棟屋上への配送に成功。輸送コンテナに搭載されたAI 顔認証ソフトウェア「SAFR」が動作し、病院関係者が適切に受領していることも確認。和歌山医大はドクターヘリの既知病院であり、指令室との連携も確認できたとのことです。

同社は公式プレリリースにて「配送時間や品質管理面では十分に実運用が可能であることが確認できた」と発表。今後は県内に複数あるへき地診療所や周辺住民への医薬品提供を想定した実験を予定しており、活用エリアを広げるものと見られます。

参照ドローンを用いた医薬品配送の実証実験を実施しました/株式会社ケーエスケー