「騙されやすさ」判定のAIモデル構築で特殊詐欺検出、尼崎市など

画像:尼崎市より引用

兵庫県尼崎市は2022年9月16日、東洋大学や富士通とともに実施している特殊詐欺の未然防止に関する研究において、被害者の生理的状況を事前に収集した心的データと照合することで、被害リスクを数的に把握できる事実が確認されたと明らかにしました。

尼崎市らによると、発表は市内に居住する65才以上の男女を対象にした詐欺電話実験において、彼らの心拍数や呼吸の速度、年齢や猜疑心の強弱など11の要素をデータ化し、指標となる「騙されやすさ」として表示したものです。第1回の実験では全体的な傾向として、緊張や混乱しやすい人ほど騙されやすく、疑いやすい人ほど緊張状態に陥りやすい傾向にあることが確認されました。

尼崎市ら3者は、上記のデータを元に「騙されやすさ」を判定する人工知能モデルを開発に役立てる計画です。2022年下半期に実施予定の第2回実証実験では、カメラやミリ波センサーなどで対象者の生理反応を測定し、「騙されやすさ」を基準に特殊詐欺被害を判定する実験を行うとのこと。

将来的には構築された特殊詐欺全般を高精度に検出するAIモデルを開発し、詐欺行為の撲滅を目指すとしています。

参照特殊詐欺対策共同研究成果を試作品でデモンストレーション!~心理状態を 11 の要素により数値で把握し、AIモデルの構築へ~