慶応大やFRONTEO、精度9割の認知症判定AI開発

画像:株式会社FRONTEOより引用

株式会社FRONTEOは2022年8月、慶応義塾大学などを含めたチームにより、人工知能による認知症判定システムを開発したと明らかにしました。

同社らは全国10の医療施設で認知症を含む患者と医師の会話記録432件を録音し、これを人工知能に学習させることでシステムを構築したと説明しています。完成した人工知能に新たに患者と医師の対話を聞かせたところ、約9割の精度で認知症とそうでない人を識別したとのこと。

認知症患者の診断は計算力や記憶力を調べる検査を行いますが、判定には高い専門性を要するため医師は訓練が必要でした。同社らはシステムを活用することで、スクリーニング検査に活用できる可能性があるとしています。

懸念される認知症患者の増加、効率的な医療サービス

株式会社FRONTEOや慶応義塾大学は開発したシステムの実用化を目指しています。

情報によると、医療機器として承認を得る見通しで2023年度には実用化に至る可能性があるとのこと。

超高齢化社会と呼ばれる日本では、認知症患者の潜在数増加が懸念されています。システムが実用化に至れば、より高い精度で効率的な医療サービスが提供できる可能性もあり、期待が寄せられています。

参照FRONTEO 認知症診断AIに関する共同研究論文が「Scientific Reports」に掲載