日本郵政、デジタルマップ事業参入を計画も法的ハードルが課題に

日本郵政がデジタルマップ事業に参入する計画を進めていることが明らかになりました。

デジタルマップ事業とは全国の道路や建物などをオンライン閲覧できる形式にまとめたもので、米国グーグルが提供する「グーグルストリートマップ」などが先行している事業です。ただし、同社のサービスは数年単位の更新頻度であり、情報鮮度において弱点が指摘されています。

日本郵政はこうしたデジタルマップの現状を考慮し、自社のネットワークを活かした事業展開を進めるものと見られます。同社は日本全国2万4,000局もの郵便局と10万人を数える配達員を有しており、彼らのネットワークを活かして、全国あまねく道路や建物の情報を収集する計画です。また、2023年より実用予定のドローンや人工衛星関連事業者との連携も模索し、空からの視点を加えた立体的な地図作りも目指すものと見られます。

課題となる法の壁

日本郵政によるデジタルマップ事業は同社が持つ強みを最大限生かしたもので、高い事業成功性を秘めています。また、デジタルマップ事業自体も先進技術に不可欠な要素であるため、市場規模の拡大が期待されます。

ただし、同社は郵便法が適用される郵便事業者であるため、事業参入を実現するには法律によるハードルをクリアすることが求められます。即ち、郵便法では郵便事業で得た情報を郵便業務以外で使用することを禁じているため、法律に抵触する可能性があるからです。

同社はこの問題をクリアするため、総務省の有識者会議でサービスの是非や提供範囲を巡って議論するとしています。

参照【独自】日本郵政、デジタル地図事業に参入へ…変化を随時反映する「生きた地図」作り