NVIDIAが仮想空間開発支援「NVIDIA Omniverse」を無償提供

画像:NVIDIAより引用

GPU大手のNVIDIAは2022年1月4日、米国ラスベガスの家電見本市「CES 2022」にて、仮想空間シミュレーションの開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を一般ユーザー向けに無償提供すると明らかにしました。

「NVIDIA Omniverse」は「Maya」および「3ds Max」などで作成した3Dモデリングデータを仮想空間に配置し、光の反射や水の動き、重力の表現などの物理的なエフェクトを再現できるソフトウェアです。同社が提供するGPU「RTXシリーズ」を搭載した環境で使用でき、仲間と同時に開発行為に取り組めるクラウド環境や、複数の素材サイトとのデータ対応など、さまざまな開発支援が特徴です。

同社はこれまで、「NVIDIA Omniverse」について開発版であるβ版を公開したり、セキュア環境を整えたバージョンを企業向けに有償提供してきました。ところが今回、クリエイター向けに正式版の無償提供を決定。CES 2022では人工知能を活用したデジタルヒューマン作成支援ツール「Omniverse Audio2Face」もに発表し、会場を沸かせました。

マーケットプレイスとの提携も発表

無償提供が決まった「NVIDIA Omniverse」ですが、NVIDIA社は「NVIDIA Omniverse」で作成したデータを販売し、ユーザー側が利益を得られる仕組みも公開しています。

具体的には、マーケットプレイス運営会社との提携です。同社は「NVIDIA Omniverse」で開発したデータについて、3Dモデリングデータを扱う複数のマーケットプレイス運営会社との提携を発表しており、ユーザーは提携先に「NVIDIA Omniverse」で作成したデータを持ち込み、販売することが可能とのこと。

3Dモデリングデータは急速に浸透が進むメタバース市場にて膨大な需要が見込まれており、メタバース市場においてNVIDIAが存在感を増していくものと見られます。

参照NVIDIA Makes Free Version of Omniverse Available to Millions of Individual Creators and Artists Worldwide