ロシア軍は2021年9月10日~2021年9月16日に開催されたベラルーシとの軍事演習「ザーパド2021」にて、人工知能により完全無人走行が可能な戦車型兵器「ウラン9」を公開しました。
ウラン9は2016年9月にロシアで開催された軍事フォーラムにて初公開されたもので、当初から人工知能を搭載した完全自律行動型の多目的無人地上戦闘車両として開発が進められていました。欧米諸国では人道上の問題からの批判も噴出していましたが、ロシア軍は実用化を目指して開発を進めたものと見られます。
なお、今回開催された演習は、ロシア-ベラルーシ両国合計20万人もの兵士が参加しています。導入された戦闘機は80機以上におよび、ほかにウラン9を含む約760もの地上兵器が持ち込まれる大規模なもの。観覧式にNATO加盟国を除いた100か国あまりが招かれるなか、ウラン9の性能を披露しました。
無人戦争時代に備え量産か
ロシアのセルゲイ・ジョイク国防相は今回の軍事演習に先立つ形で2021年5月、ロボット兵器の量産を開始したと明らかにしています。
ジョイク国防相は当時、具体的にどのような兵器を量産するのかを明らかにしませんでしたが、現在はロシア政府系に強いメディアなどから「ウラン9を量産していた」などの情報がもたらされています。
なお、ロシアのロボット兵器については実践投入を指摘する報告例も上がっており、今後実用化に向け開発が進むものと見られます。
参照ロシア軍、AI搭載の「殺人ロボット」初披露 戦車型で2キロ先の目標物を識別、砲撃