警視庁はこのほど、薬物取引などインターネット上の違法投稿を把握するため、人工知能を活用した実験を開始しました。
インターネットを通じて薬物取引など違法行為をもちかける例は以前から問題になっていましたが、投稿に「隠語(例:野菜→大麻)」が用いられ全貌の把握が難しかったり、人間の目で確認するにはあまりにも投稿数が多いという事情が影響し、思うように捜査が進まないという課題がありました。
今回の人工知能実験はこうした問題を解決するため、決定したものです。具体的には人工知能に業界で用いられる隠語を学習させSNSの投稿を巡回し、該当部分を抽出するとのこと。実験は2021年7月からはじまり、年度末まで実施する見通しです。
児童買春や特殊詐欺対策にも可能性
人工知能による違法投稿摘発は、薬物取引以外の犯罪捜査にも活用されるものと見られています。
ツイッターなどのSNSでは現状、さまざまな隠語を用いた投稿が見られます。
隠語は薬物取引に関係するものだけでなく、児童買春や特殊詐欺に関係するものも含まれているため、警察がチェックし警告を発するなどしているとのこと。ただし、薬物取引同様に投稿数は非常に多く、捜査には相当なリソースが必要となるため、人工知能を活用することでより摘発が進むものと期待されます。

