パナソニック、車をサイバー攻撃から守る「車両SOC」構築へ

画像:パナソニック株式会社より引用

家電大手のパナソニック株式会社は2021年3月23日、自動車向けのセキュリティ監視サービス「車両セキュリティ監視センター(以下、車両SOC:Security Operation Center)」を、セキュリティソフトウェア大手のマカフィー株式会社と共同構築すると明らかにしました。

現在、自動車業界ではコネクテッドカーと呼ばれる、インターネットに接続して運転支援を行う車両が増えています。しかし、インターネットへの接続は常にサイバー攻撃によるリスクを抱えるため、車両を攻撃から守るための技術が必要です。

パナソニック社によると、両社が進める車両SOCは、こうしたコネクテッドカーを念頭に置いたものです。具体的には車両に侵入検知システムを搭載し、発生したサイバー攻撃をデータセンターに蓄積。このうち、分析が必要なデータは人工知能と常駐分析官によるハイブリッド型SIEM(セキュリティ情報イベント管理)に送信し、適切な対処をすることで、安全を確保するとしています。

マカフィー社と共同して開発へ

パナソニック社は2016年にもマカフィー社と共同で、ネットワークにより稼働する工場の生産設備や生産プロセスをサイバー攻撃から防御する「工場SOC」を運用した実績を有しています。

今回構築される「車両SOC」も、こうした経緯から開発に至ったとのこと。マカフィー社は車両SOCにおいて運用設計についてノウハウを提供するとしていますが、同社のプロフェッショナルサービス本部はセキュリティ専門家が揃っているため、システム構築からインシデント対応まで、セキュリティに関わる幅広い業務を担うことが可能と見られます。

なお、パナソニック社は事業化の時期について、国連のWP29(自動車基準調和世界フォーラム)を念頭に置いており、2022年7月または2024年7月に動きがあるとしています。

参照パナソニックとマカフィー、車両セキュリティ監視センター(車両SOC)のサービス事業化に向け、車両SOCの構築を共同で開始することに合意