那須烏山市がロボット総合案内「ソータ」の実証実験、行政サービス効率化へ

「こんにちは。烏山庁舎へようこそ!」 市庁舎を訪れた人に声掛けするのは、人間ではなく、なんとロボットです。栃木県のIoT推進ラボは2020年12月、県那須烏山市の市庁舎に卓上型ロボット「Sota(ソータ)」に市庁舎の総合案内係を任せる実験を開始しました。

発表によると、ソータは大阪のヴィストン株式会社が開発したロボットで、音声認識とタブレット端末により来庁者の発言を聞き取り、インターネット通信を利用して適切なサービスや窓口へと案内する能力を持つとのこと。例えば来庁者が「住民票」などと声掛けした際に住民票を発行する窓口につないだり、タブレット端末を通じてJRなどの交通機関の時刻表を紹介したりと、いわゆる「総合案内」を担うものと見られています。

ソータの最大の特徴は、人工知能による学習機能です。関係先によると、対応を繰り返すほど精度が高まるとのことで、現在は学習期間中(~2021年1月14日)として実証実験期間が宛てられていますが、市民とのやりとりを通じて得られたデータを分析し、将来的には実用化を目指すとのことです。

行政サービス効率化や業務の集中を解消か

IoT推進ラボは今回のソータの実験で、将来的な行政サービスの効率化や業務の集中解消を目指すとしています。

例えば、那須烏山市では入り口から最も近い窓口である市民課に、市民からの問い合わせが殺到する傾向にあります。しかし実際の行政サービスは多岐に渡るため、市民課だけで対応できるものではなく、同課では問い合わせの内容に応じて適切な課に割り振る「ムダ」が課題になっていました。

今回のソータ導入は、こうした「ムダ」の解消に向けた布石です。総合案内をソータのような卓上ロボットに任せることで特定の課への業務集中を解消すると同時に、行政サービスを効率化。人件費を抑えつつ、円滑なサービス提供が期待されるとしています。

参照窓口案内ロボ 導入へ実証実験 那須烏山市/Yahoo!ニュース