パナソニックが藤沢SSTで自動配送ロボットの実証実験

画像:パナソニック株式会社

パナソニック株式会社は2020年12月7日、神奈川県藤沢市のパナソニック工場跡地を中心とした「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(藤沢SST)」にて、電気車イスをベースとした小型自動運転ロボットによるエンドユーザー向け配送サービスの実証実験開始を明らかにしました。

発表によると、同社は今回の実験を各パートごとに「フェイズ」単位で区分しています。2020年11月25日~2020年12月24日にかけて実施される「フェイズ1」では、自動運転ロボットと管制センターをインターネットで接続し、ロボットが障害物を自律判断で回避する様子を見せたほか、自動回避が困難な状況においてオペレーターが遠隔操作でロボットを操り安全確保を行う様子を公開しました。

同社によると、公道走行の技術実証と課題抽出をメインとするフェイズ1終了後、実験は配送サービス実証となるフェイズ2に移行します。フェイズ2では自動運転ロボットによる住宅前までの荷物配送やスマホアプリを利用した非対面での引き渡しを実験するとのこと。また、管制センターを使った対話機能によるコミュニケーション実験なども行い、サービスの実用化を目指すとのことです。

電動車いすを改造し走行

パナソニック株式会社によると、今回実験に使用する車両は、電動車イスにロッカーを取り付けた原動機付き自転車扱いのロボットです。

全長はタテ×ヨコ×高さがそれぞれ115cm×65cm×115cmと車両としては小型で、30kgまでの荷物を積載可能とのこと。車体重量は120kgで最大時速は6kmと「クルマ」のようなパワーやスピードはありませんが、その分安全性に優れています。装備としては高性能自動運転車に搭載されることの多い3DLiDARや2DLiDARを装備。また、GPSや各種カメラやセンサーに加え、3重の安全装置も搭載するなど、本格的な装備をそろえているところが特徴です。

なお、通信帯域推定技術も導入されているため、遠隔操作時は360度全方位を確認しつつ、低遅延映像での安全走行も可能とのこと。入り組んで複雑な住宅街に適した、自動運転ロボットとしての活躍が期待されます。

参照小型低速ロボットによる住宅街向け配送サービスの実証実験をFujisawaサスティナブル・スマートタウンで実施