ロボットベンチャー企業である株式会社TechMagicは2020年12月2日、サントリーグループの会社でカフェチェーン店を経営する株式会社プロントコーポレーションとともに、2021年上半期の導入を目標に、自動でパスタを調理するロボットの共同開発を開発していると明らかにしました。
発表によると、開発中のロボットはキッチンカウンターに直接設置するタイプの、産業用ロボットとなる見通し。カウンターの上にロボットアームやカメラ・センサーなどを取り付けることで空間を認識し、調理などを担当する予定とのこと。
記事発表時点で、同社は調理できるパスタの量や調理スピードなどの具体的な数値を明らかにしていませんが、複数作業の自動化と品質維持を両立しつつ、省力化を実現するものと見られます。例えば、自動化においては、パスタをゆでる作業と具材を炒める作業や、調理と食器洗いなどのように、複数の作業を同時に担当する能力を有しているとのことです。
自動化と品質維持の両立目指す
株式会社TechMagicは開発中のロボットの特徴として、調理業務の横断的な自動化や調理スピードの維持など、忙しい現場に求められる能力開発を挙げています。
すなわち、パスタ調理においてはパスタを茹でたり、ソースや具材を作ったり、あるいはそれらを混ぜながら加熱するなど、単純にロボット任せにできそうもない複雑な工程が求められますが、自動化ロボットでは独自開発したロボットアームを通じて、これらの複雑な工程を完全かつ横断的に進めることができるように開発するとのこと。
また、現場のピークタイムでは1時間に120食以上のオーダーをこなす必要があることから、調理ロボットにおいてもオペレーションのスピードを「人と同等の提供スピード」の水準が求められると認識。これまでのロボットと比べロボット任せにできる業務を広げつつ、作業スピードを人間並みに引き上げることで、人数単位での作業員削減を実現し、人件費圧縮と生産性の向上の両立を目指すとしています。
参照ロボットが自動でパスタ調理 ゆでる・混ぜる・鍋も洗う プロントなどが開発中
参照フードテックで美味しさを科学! TechMagic(株) とプロントコーポレーション、 店舗厨房内でパスタを自動調理するロボットを共同開発