大手自動車メーカースズキ海外子会社の「Maruti Suzuki(マルチスズキ)」は2020年10月27日、インドのウッタラーカンド州政府運輸局協力のもと、同国デラドゥン試験センターにて人工知能による自動車運転免許の技能試験判定システムを導入したと明らかにしました。
発表によると、このシステムはマイクロソフトとの協力により開発されたもので、「HAMS(Harnessing AutoMobile for Safety)」と名付けられています。
HAMSは人工知能を有しており、フロントガラスに固定されたスマートフォンを通じて位置情報を認識し、スピードや進路の判定などを行うとのこと。また、HAMSに搭載されたカメラは顔認証技術も有しているため、同国で問題となっている代理受験も判定するとのことです。
合格率が90%→50%に!公平な判定に期待
マルチスズキによると、HAMSは試験終了後10分程度の処理時間で、合否判定を行う能力を有しています。運転技能の試験は即日発表のところが多いので、この点において、人間の手と変わらないスピードを維持しています。
むしろ、特徴的なポイントは、HAMSが持つ公平さにあるでしょう。
マルチスズキの発表では、以前の同試験センターにおける合格率は90%以上でしたが、HAMSによる評価を実施したところ、合格率は約50%ほどに落ちたとのこと。不合格者からは多くの不満が寄せられるものと見られますが、HAMSは不合格だった人に対して技能試験中の録画映像を提供することができるため、より公平に評価と期待されています。
HAMSは今後、インド国内の各教習所に展開される可能性もあるでしょう。