大量発生のバッタにドローンで殺虫剤散布|インド

インド政府は2020年5月26日、インド国内で大量発生したバッタの大群に対して、ドローンを使った大規模な追跡活動および殺虫剤の空中散布を実施する方針を明らかにしました。

当局の発表によると、本年度はバッタが異常発生しており、国内の西部~中部にかけて約5万ヘクタールの農地を覆いつくしているとのこと。バッタは旺盛な食欲で農作物を食害するため、現地に住む農業従事者にとって大きな痛手ですが、本年度は新型コロナウイルスの蔓延の影響もあり、さらに大きない打撃が懸念されています。このため、インド政府は国内ではあまり実例のない、ドローンを使った防虫活動に乗り出す決定を下したものと見られます。

懸念される被害、6月にはさらに深刻な影響も

バッタの異常発生は農業従事者だけでなく、国内の食料事情に大きな影響をもたらすことで知られています。

国連の食料機関はバッタの破壊力について、「400万匹発生すれば、約3万5,000人分の食料を失わせる」との認識を示していますが、インド国内で発生したバッタは100億を超えるともいわれており、深刻な影響が懸念されています。

また、同国の農業は先進国ほど機械化、対策が進んでいるとも言い切れず、衣類や食器などでバッタを追い払うしかない人も多くいるため、政府は対策の推進を強める方針を示しています。

参照作物食い尽くすバッタの大群、ドローンで追跡・殺虫剤散布 インド/Yahoo!ニュース