日本将棋連盟は2020年5月16日、株式会社リコー主催の女流王座戦にて、人工知能「リコー将録」による記録係無人化を実施したと明らかにしました。
将棋の公式戦は対局の様子を記録することで知られるが、記録係はこれまで、プロ棋士を目指す養成機関に所属する学生などが担ってました。ところが、近年は記録係を務める人材が不足しており、人手不足が懸念されていました。
情報によれば、公式戦の記録を人工知能が担った事例は、今回が国内初になるとのこと。人工知能が将棋界の人手不足を解決する可能性もあると期待感が寄せられています。
コロナ「3密」対策にも
現在、将棋界では今回の導入事例が、記録係の人手不足問題解決と同時に新型ウイルス対策にも役立つのではないかと捉えられています。
プロの対局では通常、棋士2人のほかに複数の人物が密集するため、どうあっても新型ウイルスの3密要件を満たしてしまいます。ところが、将棋連盟がリコーと導入した「リコー将録」は、天井に据え付けたカメラの映像を人工知能が分析し、指し手を割り出すという方式を用いるため、対局中の部屋にいる人の数を最小限に減らせます。
このため、将棋連盟は今後、主催者と協議しつつ、別の対局戦においても「リコー将録」の導入を検討する可能性があるとしています。
参照将棋界で「AI記録係」デビュー 係務める奨励会員が減り導入 3密回避に有効/Yahoo!ニュース