2022年には自動運転がサービス化の可能性、国土交通省がロードマップ公開

画像:「自動走行の実現に向けた取組報告と方針」Version4.0を取りまとめました/国土交通省より

国土交通省は2020年5月12日、完全無人自動車の導入やビジネス化にまつわる、法的課題や走行ルールに対するガイドラインを示した「自動走行の実現に向けた取組報告と方針 Version4.0」を公開しました。

自動運転技術を巡ってはこれまで、走行エリアやルール作りの問題など、さまざまな分野において議論が必要とされてきました。今回発表された方針では、

  1. 無人自動運転サービスの実現に向けたロードマップ
  2. 自動運転の高度化に向けた実証実験
  3. 官民の関係者が連携して取り組む協調領域

の3つのテーマについて、今後5年間の展開を具体化。2022年をめどに、廃線跡等での無人運転サービスを認める方針や、一般道における導入シナリオ等が明かされました。

当面は廃線跡など限定空間のサービスか

今回示された指針のうち、無人自動運転サービスのロードマップは、もっとも注目を集めている内容の1つです。

これによると、同省は2022年をめどにエリアを限定して官民の無人自動運転サービスの展開を容認する方針。具体的には、走行エリアを廃線跡などに限定した上で、遠隔監視環境を整えることで、安全性と効率化を両立させる計画です。

また、2025年をめどに、サービス拠点を40箇所程度に拡充する可能性もあると発表。ただし、自動運転は技術のみならず、インフラや受容性・コストなどさまざまな角度から検討を進める必要があるため、ロードマップを官民関係者間で共有し、今後さらに精査する方針を示しています。

大型トラックの連立走行も実験拡大

今回発表された指針では、無人自動運転サービスの展開計画が進むいっぽうで、物流改革が期待される、有人トラックと無人トラックを交えた「隊列走行技術」の確立についても、実験の評価や今後の計画が示されました。

同省はこれまで進められた高速道路での隊列走行技術について、政府目標の達成に向けて着実に進んでいると評価しました。

また、隊列走行技術の実用化に向けて実験を進める指針が明かされ、今後は一部有人状態の環境下で、夜間やトンネル内など悪条件による実験を進めることで、安全性や実用性をテストする計画が明かされました。

参照2022年度に限定地域で無人自動運転サービス開始 政府の検討会がロードマップ策定/Yahoo!ニュース