路駐や渋滞、対向車、実証実験で明かされる自動運転のハードル│静岡県

画像:しずおか自動運転ShowCASEプロジェクトより

静岡県は2020年3月22日までに、同県3市町で実施した自動運転車による実証実験の結果を公表し、観光産業や高齢者移動などへの需要が期待できる反面、多くの課題が残っていると明らかにしました。

発表は沼津市・下田市・松崎町での実験結果を述べたものですが、県によるといずれの自治体においても自動運転だけでは対処できず、多くの場合において、ドライバーが手動運転に切り替える必要に迫られたとしています。

米国を中心に広がる自動運転技術への期待感。しかし、未だ日本国内では多くの課題が残されているのかもしれません。

課題は狭い道路・路上運転・交通渋滞

県は自動運転の課題について、狭い道路や路上運転・交通渋滞の3点を指摘しています。

県過疎地で交通量の少ない松崎町での実験では、狭隘な道路で対向車に遭遇した時、自動運転では事前回避するため広いスペースで停車するなどの判断ができず、やむなく手動運転に切り替える事態が発生。また、県郊外地の下田市では路上駐車が頻発しており、自動運転では安全に走行できない場面が生じたとしています。

また、都市部の沼津市においては、自動運転車が法定速度を守って走行するため、後ろに多数の後続車が連なる交通渋滞が発生したと言及。都市の規模にかかわらず、いずれにおいても自動運転に任せきりにできない事態が起きています。

県関係者は自動運転の課題について、「技術面だけでの対処は難しい、(路上駐車を控えるなど)住民マナーも必要だ」との認識を示しました。

参照自動運転、専門家「地域のマナーが鍵」 静岡県の実証実験まとめ、路上駐車回避や渋滞課題/Yahoo!ニュース