東大大学院などが受電タイヤの開発へ、2025年の実証実験を目指す

東京大学大学院の研究グループが2019年10月10日、受電機能とモーター駆動の機能を収めたタイヤの開発したと明らかにしました。

同大学が開発したタイヤはEV車に向けられて作られたもので、走行中に充電することで、走行可能距離の延長効果などが期待できるとのこと。受電に必要な全機能を構造内で完結したタイヤは全世界で初とされ、ブリヂストンやロームなど合計4社が共同して参加しています。

2025年の実証実験を目指して

EV車の最大の欠点は、充電時間の長さと走行可能距離の短さです。

従来は車体の軽量化やバッテリーの高性能化などで対応を進めてきましたが、近年は充電機能を搭載した車体と送電機能を持つ道路による「走行中の充電」に可能性を見出す動きもあり、欧米やイスラエルなどで開発が激化しています。

受電装置の設置場所に関しては、車体にすべきとの意見もあります。しかし、受電装置を車体に搭載した場合、荷重次第で道路側の送電装置との距離に変化が出したり、空き缶などの障害物があると、充電が安定しないなどの欠点がありました。そこで同大学らは、タイヤ側に受電装置を搭載する案を採用。タイヤ部分に受電装置があれば、重量変化や障害物の影響は受けずに済むため、安定的な充電が実現すると考えられています。

大学らは2025年に実証実験へと漕ぎ着ける考えを示しており、今後の可能性に期待が寄せられています。

参照東大、ブリヂストンなど4社と走行中に電気を受け取れるタイヤを開発/Yahoo!ニュース