LINEとAI組み合わせ災害情報の共有、神戸市が全国初の実証実験

兵庫県神戸市は2019年8月4日、無料通話アプリLINEと人工知能を組み合わせた、新しい形式の災害情報配信の実証実験を手掛けました。

神戸市によると、実験では市内各地に移動した消防団員らが現在地の写真を撮影。その後、LINEで撮影した画像と位置情報をアップロードすると、AIが送信情報を整理し、地図上に画像を表示することに成功したとしています。

被害状況のいち早い把握に

今回の実証実験は、これまでの災害情報よりずっとスムーズで、正確な情報提供を可能にするものです。従来は災害が発生した際に、現地民の通報を受け職員が赴き、持ち帰った情報を整理するなどしていました。しかし、今回の実験では団員がその場で目にした災害情報を撮影・AIが自動で整理するため、対策本部にもいち早く情報が伝わるとしています。

結果として、本部から出る指示が的確なものになると予測され、消防団員の安全確保にも繋がると期待が寄せられています。

デマ拡散対策など課題はあるが、市民との共有も

神戸市は今後、同システムを市民とも共有する考えを示しています。大規模災害が起きた際など、消防団員のみの情報に頼るより、市民の協力も得た方がずっと効率的に災害対応ができるからです。

もっとも、市民との共有はデマの拡散といったリスクも考えられます。神戸市は今後デマ拡散などの対策も考慮するものと見られています。

参照LINEを利用して災害情報を共有する実証実験 来月からの運用目指す・神戸市yahoo!ニュース