朝日新聞の報道によると、横浜市立大学及び横浜国立大学の研究チームは2018年4月19日よりはじまる日本泌尿器科学会にて、人工知能を使った男性の不妊治療支援システムを発表するとのことです。
情報によると、人工知能は抽出した組織の中から、精子とそれ以外の細胞を見分けることで、精子が存在する箇所を絞り込むとのこと。培養士の負担を軽減しつつ、短時間かつ効率的に遂行できる可能性を秘めています。
“精子が存在する箇所”の特定に成功
研究チームの発表によると、AIへの機械学習には病院患者の許諾を得た精巣組織の顕微鏡画像を使用。培養士が精子と白血球を分類したあとに、機械学習を専門とする教授と大学院生がAIへの学習を行いました。
また、精子の見落としを避ける目的で、精子と類似した細胞も検出できるように設定。AIがある程度絞り込んだものの中から、培養士が精子を探し出す形での利用が想定されています。
多大な手間をかけてきた不妊治療
「無精子症」に悩む男性の不妊治療は、非常に多くの手間がかかります。
従来は医師の手により摘出された組織を培養士が調べ、精子のある場所を検索してきました。その手間は非常に膨大で、中には2~3人で探し続けても数時間を要するケースも。
更に対外受精の件数は増加傾向にあり、多くの人手が必要とされる治療。人工知能で作業負担の軽減が行われれば、人工知能による大きな社会貢献となるでしょう。
〈参照〉精子発見、AIが手助け 不妊治療、人力作業の負担軽減/朝日新聞digital

