欧州連合(EU)にて、AI法規制の議論です。EUの行政を司る欧州議会は、人工知能に関する法制度の整備を要求する報告書を提出したことを発表。AIに対して「ロボット課税」を行い、電子人格に対する取扱いを定める予定です。
AIに対する法整備はやや性急ではないかという指摘に対して、EU議会側はいち早くルール作りを行うことで、先行者としての利益を享受できると説明しています。
自律型ロボット「電子人格」の考え方
今回報告書を提出した議員によると、法案は将来登場するであろう「自立型ロボット」の誕生を想定したとのこと。人の組んだプログラムの手を離れ、人工知能により自律的に活動するロボットを「電子人格」という法的地位を設定することを求めています。
同報告書によると、「電子人格」はAIが第三者に損害を及ぼした場合、責任の帰属や法的な扱いを定義するために必要とのこと。ロボットに人権を与える目的ではないと説明しています。
反発が予測される「ロボット課税」
「ロボット課税」は同報告書の大きな焦点の1つです。報告書を提出した欧州議会の議員はAIによるロボットが産業界に浸透するにつれ、大量の失業者が生まれることを指摘。
現在の社会保障制度や公的サービスを維持するために必要な手段の1つとして、ロボット課税を含めた財政手段を検討する必要があると述べています。
<参照>
<EU>「AIルール先導を」欧州議会議員、議論に期待/毎日新聞
EU Commissioner Says No to Bill Gates’ Robot Tax Idea/FORTUNE

