10月17日、カナダ政府はケベックシティーの国際空港周辺を飛行していた旅客機に、ドローン機体が衝突する事故があったことを発表しました。
幸い旅客機に大きな影響はありませんでしたが、衝突部位によってはバードストライクのように深刻な被害が生じることが懸念され、物議を醸しています。
なお、同国の報告によると、旅客機とドローンの衝突事故は国内初の事例とのことです。
運輸相が声明を発表「衝突部位によっては悲劇的な結果に」
カナダのメディア報道は、被害を受けた旅客機はチャーター航空会社「スカイジェット」の管轄機であり、合計8名が登場していたと報じています。
また、衝突したドローンは同国の飛行規制に従って空港から3.5マイルほど離れた空域にいたが、高度の規定は違反していたのこと。
カナダの運輸相は事件の経緯を把握した後、大事故とならずに済んだことを幸いとしつつも、「エンジン部分や操縦窓などに衝突していれば、悲劇的な結果が起きていたかもしれない」と、ドローンと旅客機の運用性の問題について示唆する言及を行いました。
ドローンの台頭に伴い法整備が急がれる
今回のような事件は、なにもカナダ国内のみの事例ではありません。今更言うまでも無く個人によるドローン操縦は急速な広がりを見せており、これに伴う有人飛行機との衝突事故は懸念されるべき事案です。
各国は法整備を急いでおり、カナダ国内もドローンの飛行高度を規制するなどして安全策を打ち出していますが、市民社会への理解と浸透はまだ時間が必要です。
なお、同国の法律では違反者に対して最大で25,000カナダドルの罰金や禁固刑が規定されていますが、量刑のバランスや罰金の金額についても、今後議論が進むものと見られています。

