画像:車いす、音声で自動運転 久留米工大 GPS・カメラ併用/ゴエモンのつぶやきより
8月21日、福岡県久留米市にある久留米工業大学が、自動運転機能を搭載した電動車イスの技術的な実証実験を始めることを公表しました。
高齢化社会ナンバー1とも言われる日本国内では、電動車いすの高性能化は大いに需要が見込まれるところ。自動運転システムに関わるのIT企業はもとより、福祉業界や医療機器メーカーからも期待が寄せられています。
音声認識による「対話」で動作する
同大学の発表によると、今回実証実験に係る電動車イスは、音声を認識する「対話型」システムを搭載したとのことです。機体は協力会社である「WHILL」の開発した電動車イスを採用し、スマートフォンやタブレットなどの入力機器に搭載された音声認識機能を使用することで、行先を伝えるというもの。
車イスは指示に従ってGPSで現在地及び目的地を確認。自動運転システムを駆使して、目的地へ移動を開始すると言われています。
搭載した人工知能が障害物を認識し、安全な経路を確保する
今回実験に使われる電動車イスには、運行制御面として「人工知能(AI)」を搭載したとのこと。付属のカメラを通じて走行時に人や障害物を認識させることで、安全性の確保へと繋げようという目論見です。
また、緊急時には手動運転への切り替えも可能ですから、状況に応じた操縦を可能となるでしょう。
課題となる安全性
自動運転の技術開発において、最も大きな問題は「走行の安全性」だと言われています。実際、自動運転技術において先を行く自動車関連業界も、走行中の安全確保は苦慮している部分です。
車イスはその性質上、他の移動用車両よりも高い安全性が求められる車両です。自動車と比べると走行速度や周辺環境に違いはあるものの、安全性の確保が最大のテーマの1つとなることは、必然だと言えるでしょう。
<参照>声で行き先、車いす自動運転…久留米工大が開発/読売新聞