インフル流行を予測!人工知能が「つぶやき」言語から解析

画像:奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科サイトより

奈良先端科学技術大学院大学の研究グループが、ツイッターの投稿内容からインフルエンザの患者数や流行のピークを予測する手法を開発した。これをうまく活用できれば、国の調査よりも早く情報を把握できる。また花粉症や感染性胃腸炎などにも応用が可能とのことで、今後より広く活用できるようにシステムの実用化を検討している。

開発したのは、同大学の情報科学研究科・荒牧英治特任准教授(情報理工学)らの研究チーム。
インフルエンザが流行してくると、ツイッターで「熱が出た」「頭痛」「吐き気」などインフルエンザの症状に関連したつぶやきが増えることに着目。それを人工知能(AI)による言語処理で解析し患者数を推計したところ、なんと国立感染症研究所が報告する実数と約90%の確率で一致したとのこと。

また、3年分(平成24~27年)の約700万件のツイートを分析した結果、国調査より約2週間も早く、ピークや兆候を把握できた。またツイッター利用者の位置情報や投稿内容から、都道府県別のデータや、地域ごとの流行時期の予測も可能になるという。

今後、世界的に広がる感染症予測への活用も考えられるといい、研究チームの荒牧特任准教授は「システムが認知されてツイート数が増えれば、さらに正確なデータが得られるようになる。SNSが情報把握のためだけでなく、予防のためのインフラになる日も近いのでは」と語っている。

<参考>SankeiBiZ