ロボットSIer(ロボットシステムインテグレータ)とは?導入事例や補助金・おすすめメーカー5選まで

ロボットの導入を検討しているものの運用に不安があり、先送りにしている企業の皆さまも多いのではないでしょうか。

そこで、ロボット導入のプロである「ロボットSler」について紹介します。ロボットSIerは、ロボットシステムインテグレータやロボットエスアイアーとも呼ばれています。

ロボットSlerを導入するメリットやデメリット、具体的に何をしてくれるのかをまとめているので、実際に導入した際のイメージが湧きやすいでしょう。また、ロボット導入で活用できる補助金についてもまとめているので、ロボット導入を検討中の企業の皆さまは参考にしてください。

ロボットSIer(ロボットシステムインテグレータ)とは

ロボットSler(ロボットシステムインテグレータ)とは、ロボット導入時に必要な計画や提案、運用までの設定や修正を行う専門業者を指します。例えば、社内の予算に合わせた適切なロボットの提案や、ロボットの設置など、ロボット導入に必要な工程を任せられます。

またロボットSIerはメーカー系と独立系の大きく2種類に分けられ、それぞれ支援してくれる内容が異なります。

ロボットSIerを導入すると具体的に何をしてくれる?

では、ロボットSIerを利用すると具体的に何を行ってくれるのでしょうか。主な流れは以下の通りです。

  1. 提案・見積もり
  2. ロボット設備生産
  3. 納品
  4. 導入後のアフターサポート

まず、導入するロボットの提案や見積もりを行います。ロボットの導入によりどのような課題を解決したいのかなどをヒアリングして、適切なロボットを提案するのです。

次に、ロボット設備の生産をします。同じ工程を担うロボットでも、作業スピードや内容により仕様が異なります。そのため、最適な仕様になるようにロボット設備の生産やシステム設計を行う必要があるのです。

そして、ロボットを納品します。納品時には工場にロボットを設置するだけではなく、正常に動くかどうかのテストも行います。ロボット導入までの工程は以上です。

また、ロボットSIerは導入後もアフターサポートを行います。定期メンテナンスや、故障したときの修理に対応してくれるケースなどさまざまです。

ロボットSIer導入のメリット・デメリット

ロボットSIerをうまく利用するためには、活用前にプラス面とマイナス面を理解するとよいでしょう。ここでは、ロボットSIerを利用するメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

メリット

ロボットSIerにはたくさんのメリットがあるため、多くのケースで利用されています。ロボットSIerの主なメリットとして、以下の5つが挙げられます。

  • 現場や用途にあったロボットの提案をしてくれる
  • ロボット導入後のサポートも手厚い
  • ロボットを設置する手間を省ける
  • 自社にロボットのノウハウがなくても短期間で導入できる
  • ロボットの導入・運用に必要な費用の相談ができる

自社でロボットSIerを利用する必要性を検討するためにも、それぞれ確認しておきましょう。

現場や用途にあったロボットの提案をしてくれる

せっかくロボットを導入しても、用途にあっていなければ効果はあまり得られません。そのためロボット導入の効果を最大限に引き出すために、ロボットSIerは数多くあるロボットの中から現場や用途にあったロボットを提案してくれます。

例えば、狭い工場では省スペースで運用できる多関節ロボットや、重量物の積み込みには可搬重量が大きなロボットなど、それぞれの現場を視察・用途のヒアリングをしたうえで提案してくれます。

このように、ロボットSIerを利用すれば適切なロボットを導入でき、早い段階で作業の効率化につなげられるメリットがあるのです。

ロボット導入後のサポートも手厚い

ロボットSIerを利用すれば、ロボットの導入前のみならず導入後のサポートもしてくれます。

ロボットを導入して終わりではなく、実際に動かすためのプログラムをインストールしたり、稼働を確認したりするのもロボットSIerの仕事です。例えば、効率化がうまくいっていない場合には、ボトルネック工程の可視化などを行います。制御装置のエラーや断線など、ロボットの不具合時には修正も行ってくれます。

また不具合が起こらないように、メンテナンスを請け負ってくれるケースもあります。消耗品の補てんメンテナンスが含まれる場合には、ロボットを長く安定して利用できます。

そのため、ロボットを上手く運用できるか心配な企業でも、ロボットSIerを利用すれば安心して導入可能です。

ロボットを設置する手間が省ける

ロボットSIerを利用すれば、ロボットの設置をしてくれるのもメリットの1つです。

ロボットの設置が上手くできなければ、本来の力を発揮できません。そもそもどのように設置すればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。

ロボットSIerを利用すれば納品して終わりではなく、設置まで行ってくれます。また、ロボットを設置してからも、稼働の状況を確認しながら細かく調整してくれます。

自社にロボットのノウハウがなくても短期間で導入できる

ロボットを導入するためには、ロボットに関する知識が必要不可欠です。これを自社ですべて行う場合には、ロボットエンジニアの育成をしなければなりません。しかし、自社でロボットエンジニアを育成しようとすると、時間や手間がかかってしまいます。

そこで、ロボットに関する知識が豊富なロボットSIerを導入すれば、ロボットエンジニアがいなくても運用ができるため、人材育成にかける時間を省けるのです。ロボットSlerを導入すれば、ロボットエンジニアを自社で育てる必要がなくなり、短時間でロボットを稼働させられるメリットがあります。

ロボットの導入・運用に必要な費用の相談ができる

初めてロボットを導入する際、予算やコストの目安が見当もつかないとお悩みの企業も多いのではないでしょうか。ロボットSIerを利用すれば、費用について第三者視点からアドバイスを受けられるメリットがあります。

ロボットSIerはさまざまなロボットやその価格、維持にかかる費用などを把握しているため、性能と価格のバランスを考慮して提案可能です。また、将来的にかかるコストも含めて教えてくれるので、メンテナンスや修理の費用が高すぎて維持できないといった状況を防げます。

デメリット

ロボットSIerの利用にはたくさんのメリットがありますが、以下のようにデメリットも存在します。

  • 希望する保守サポートを受けられない場合がある
  • すべてのロボットを取り扱っているわけではない

それぞれ詳しく解説するので、利用を検討しているのであればロボットSIerのマイナス面も理解しておきましょう。

希望する保守サポートを受けられない場合がある

ロボットSIerによっては、保守サポートを受けられない場合もあります。

例えば、定期的なメンテナンスはサポート対象外であり、ロボットメーカーに任せているロボットSlerも珍しくありません。ロボットを継続的に運用する以上、配線や駆動源の日常的な点検は必要です。

自社でメンテナンス担当者が確保できない場合には、保守サポートが充実したロボットSlerへ依頼するようにしましょう。

すべてのロボットを取り扱っているわけではない

取り扱っているロボットのメーカーや種類は、ロボットSIerごとに異なります。

そのため、導入したいロボットを得意とするロボットSIerであるか確認してから依頼しなければなりません。気になるロボットがあるのであれば、あらかじめ取り扱っているかチェックしておきましょう。

また、ロボットの提案は無料で行っているSIerもあるため、提案を見てから希望のロボットがなければ別のロボットSIerへ依頼する方法もあります。

ロボットSIerでのロボット導入事例

ここでは、ロボットSIerの活用事例を5つ解説します。自社の運用を活かすためにも、それぞれの活用事例をチェックしましょう。

株式会社ホーユーウエルディング

金属製品を取り扱っている株式会社ホーユーウエルディングでは、ロボットSIerを利用してロボットを導入しました。

従来、ホーユーウエルディング社では車両用大型部品の溶接を行う際に、少量多品種の生産体制である理由からロボットの導入は難しいと考え、手作業で行っていました。しかし新規受注した部品の溶接工数が長いうえに似た部品もあったことから、ロボット化を再決意し、Slerの指示のもと株式会社ダイヘンの「FD-B4L」と「WB-M500」を導入。

導入により仮溶接にかけられる時間が増えたため、労働生産性が向上しただけではなく、作業者による品質の差を減らせるようになりました。また、危険な作業をロボットが担えるようになり、安全性の確保につながりました。

JUKI松江株式会社

生産用機械器具の開発・製造を行うJUKI松江株式会社では、ロボットSIerの支援のもとでロボットを導入しました。

従来JUKI松江社では、ミシンボディーの上塗り粉体塗装を熟練作業者が手作業で行っており、負担の軽減と作業環境の改善が急務でした。そこで、安川電機社の「MH50Ⅱ」と自社開発の装置とを組み合わせて自動化を実現。

結果的に、塗装ライン工程の省人化や衛生面の向上につながりました。

日本耐酸壜工業株式会社

土石製品を製造している日本耐酸壜工業株式会社では、ロボットSIerを利用してロボットを導入しました。

従来日本耐酸壜工業社ではガラスびんのダンボール詰めや、そのあとのパレットへの積み上げを手作業で行っていました。これらの作業は重労働であり、作業人員の確保が難しい状況でした。そこで、コーレンス社の支援のもとでファナック社の「M-710iC」を導入。

これにより、4名の省人化に成功したうえに、労働生産性が導入前の2.2倍になりました。

蛇の目ミシン工業株式会社

ミシン及び産業機器の製造を行う蛇の目ミシン工業株式会社では、ロボットSIerの支援のもとでロボットを導入しました。

従来蛇の目ミシン工業社では、電子機器のはんだ付けを手作業や専用機で行っていました。部品密度の高まりや多品種変量・短期生産のニーズが高まり、汎用性に優れるロボットの導入を検討していたのです。

そこで、柔軟な動作が可能な「XYZRの4軸コテ付けロボット」を導入し、引きはんだやポイントはんだなど幅広いはんだ付け作業に対応できるようになりました。そのうえ、省電力化・省人化・工数の削減も実現しました。

株式会社明治機械製作所

はん用機械器具を取り扱っている株式会社明治機械製作所では、ロボットSIerを利用してロボットの導入可能性を調査しました。

従来は熟練作業者が、コンプレッサーやエアタンクへの塗装をエアガンで行っていました。コンプレッサーの塗装部には凹凸がある部分が多くあり、高度な技術が必要な作業であったため、熟練作業者に負担がかかっていました。そこで塗装ロボットの導入により自動化できないか検証するために、川崎重工株式会社の「KE610」で実証実験を行いました。

新静電塗装の技術により、エアタンクを塗装する作業を自動化できる可能性がわかり、導入前は8個だった生産量を25.6個まで向上できると推測しています。

ロボットSIer活用でロボット導入ステップ

ロボットSIerを活用した際のロボット導入までの基本的な流れを紹介します。

①問い合わせ

気になるロボットSIerへ問合せをします。何社か問い合わせすると自社にあったところを見つけられるでしょう。

②打ち合わせ

どのようにロボットを活用したいか、どこまでサポートをして貰えるかなど詳しく質問することをお勧めします。

③視察・初期診断

実際に視察をし、どのようなサポートが可能か詳しく初期診断をします。

初期診断とは?

現場(工場等)視察

課題となっている点を導入するための現場を視察し、どのようなロボットが導入可能か?どのように導入を計画すると効率的かをしっかりと判断します。

対象ワーク、作業の選定

対象ワーク、生産数量、タクトタイム、品種替えの頻度などを書き出して整理します。

制約条件

設置スペース、動作環境(温度、湿度、気圧、振動等)、ユーティリティ(動力電源、制御電源等)、安全(関連法規等)などの制約条件を書き出して整理します。

導入レイアウト図の作成

ロボットを配置し、前後の設備を配置し直します。その上で必要な機器の選定を行い、レイアウトをより具体的に肉付けします。

④提案

「③視察・初期診断」の内容をもとに、最適な内容にて「対象ワーク、作業の選定」「制約条件」「導入レイアウト図の作成」等を元に提案をします。

⑤発注

提案内容をもとに企画構想・仕様定義を行います。

⑥設計、製作・納品

発注内容をもとに製作を進め、スケジュール通り納品を行います。

おすすめロボットSIer5選

ここでは、おすすめのロボットSIerを5社紹介します。各メーカーによって扱う特色が異なるため、参考としてご覧ください。

株式会社KOBOT

株式会社KOBOTはロボット導入を通じて、人間の創造性を高める社会を目指すロボットSIerです。例えば、KOBOT社が持つロボットの制御・開発技術によって、機械化が難しい領域で職人が活躍できる環境を実現を目指しています。

また、KEEN Robotics社の一次代理店として配膳ロボットの導入から保守サポートを行ったり、ロボット関連企業とユーザーのマッチングサービスである「ロボファン」の技術ファシリテータを務めていたりする点も特徴です。さらには、伝統工芸とロボティクスを組み合わせ、ユーザーが伝統工芸を楽しめる機会も提供しています。

イードル株式会社

イードル株式会社は、ロボティクス技術で冒険心がくすぐられる社会の実現を目指しているロボットSIerです。

イードル社では産業の自動化や無人化を推奨し、産業用ロボットのみならず、ドローンや周辺機器を統合したロボットシステムを提案しています。特にエアモビリティの開発に力を入れており、産業用途や災害救助、移動手段などさまざまなシチュエーションでの活用を目指しています。

また、福岡県のロボット開発を盛り上げるべくKOBOT社と協業し、「ロボファン」の技術ファシリテータとしても積極的にサービスを提供しています。

筑波エンジニアリング株式会社

筑波エンジニアリング株式会社は、茨城県に本社があるロボットSIerです。ロボットの導入によって、4つの価値を提供しています。

  • 省人化
  • ロボット化
  • 品質向上
  • 生産性向上

1つめは省人化です。筑波エンジニアリング社なら半自動装置から完全無人化ラインまで、予算や要望に合わせてロボットを導入可能です。ニーズに合わせた的確な提案力により、製造工場における人手不足を解消できるでしょう。

2つめはロボット化です。筑波エンジニアリング社は、ロボットSIerとしての豊富な知識や経験を持っています。全国で年間20〜30件のロボットシステムを導入し、製造工程のロボット化を支援しています。

3つめは品質向上です。画像検査や耐久試験機など幅広い検査装置の実績があり、さまざまな機械の品質検査を任せられます。

4つめは生産性向上です。ロボットの導入により作業者を単純作業から開放し、付加価値の高い作業へ注力できるようサポートしてもらえます。そのため、筑波エンジニアリング社に任せれば、工場全体の生産性を向上させられるでしょう。

因幡電機産業株式会社

因幡電機産業株式会社は、北海道から九州まで全国にたくさんの拠点を持つロボットSIerです。

取り扱っているロボットも幅広く、産業用ロボットのみならず、協働ロボットや無人搬送台車、ロボットハンドなどがあります。提案できるロボットの数も多く、産業用ロボットだけでも、取り扱っているものが以下のように多種多様です。

  • 産業用ロボットラインアップ:エプソン社
  • MZ07F/MZ07LF(NACHI):不二越社
  • 産業用ロボットラインアップ(NACHI):不二越社
  • リニアコンベアモジュール「LCMR200」:ヤマハ発動機社
  • スカラロボット「YK-XEシリーズ」:ヤマハ発動機社
  • 産業用ロボット「MOTOMAN-GPシリーズ」:安川電機社

これらを上手く組み合わせて、最適なロボットシステムを提案します。

ロボテック株式会社

ロボテック株式会社は、ファナック社や安川電機社のロボットを取り扱っている埼玉県にあるロボットSIerです。

ロボテック社では、開発から納品、アフターフォローまでトータルサポートしています。また、見積もりの前には仮設計を行っているため、自社とロボテック社での認識違いを防げます。

ロボット導入時にはティーチング、導入後にはメンテナンスにも対応しているため、ロボットのノウハウがなくても安心して任せられるロボットSIerです。

ロボット導入で活用できる補助金

ロボットを導入する際には、補助金を活用できるケースがあります。ここでは、ロボット導入で活用できる補助金を紹介します。ロボットの導入にはコストがかかるため、補助金を上手く利用して負担を減らしましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が経営革新のための設備投資を行う際に受けられる国の補助金です。

補助上限額や補助率は申請する枠や類型、従業員の人数によって異なり、補助上限額は750万円〜5,000万円で、補助率は2分の1もしくは3分の2です。枠は以下の5つに分けられています。

補助上限額 補助率
通常枠 750〜1,250万円 1/2

※小規模・再生事業者は2/3

回復型賃上げ・雇用拡大枠 750〜1,250万円 2/3
デジタル枠 750〜1,250万円 2/3
グリーン枠 エントリー:750〜1,250万円

スタンダード:1,000〜2,000万円

アドバンス:2,000〜4,000万円

2/3
グローバル市場開拓枠 3,000万円 1/2

※小規模・再生事業者は2/3

また、申請には事業計画書や労働者名簿などたくさんの書類が必要です。必要な書類がわからない場合には、ロボットSlerに相談するのも一つの方法です。

参照ものづくり・商業・サービス補助金

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、中小企業などの新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換・事業再編を支援する補助金です。補助金額や補助率は、以下のようにそれぞれの枠によって異なります。

補助金額 補助率
成長枠 従業員数20人以下:100〜2,000万円

従業員数21〜50人:100〜4,000万円

従業員数51〜100人:100〜5,000万円

従業員101人以上:100〜7,000万円

中小企業等:1/2

中堅企業等:1/3

グリーン成長枠(エントリー) 従業員数20人以下:100〜4,000万円

従業員数21〜50人:100〜6,000万円

従業員数51人以上:100〜8,000万円

中堅企業等:100万円〜1億円

グリーン成長枠(スタンダード) 中小企業等:100万円〜1億円

中堅企業等:100万円〜1.5億円

卒業促進枠 成長枠・グリーン成長枠の上限に準じる
大規模賃金引上促進枠 100〜3,000万円
産業構造転換枠 従業員数20人以下:100〜2,000万円

従業員数21〜50人:100〜4,000万円

従業員数51〜100人:100〜5,000万円

従業員101人以上:100〜7,000万円

※廃業をともなう場合は廃業費を最大2,000万円上乗せ

中小企業等:2/3

中堅企業等:1/2

最低賃金枠 従業員数5人以下:100〜500万円

従業員数6〜20人:100〜1,000万円

従業員数21人以上:100〜1,500万円

中小企業等:3/4

中堅企業等:2/3

物価高騰対策・回復再生応援枠 従業員数5人以下:100〜1,000万円

従業員数6〜20人:100〜1,500万円

従業員数21〜50人:100〜2,000万円

従業員数51人以上:100〜3,000万円

中小企業等:2/3

中堅企業等:1/2

どの枠に当てはまるかきちんと確認し、申請を行いましょう。

参照事業再構築補助金 公募要領(第11回)

自治体の募集する補助金

補助金のなかには自治体が募集しているものもあります。主な補助金は以下の3つです。

  • 東京都の介護施設等における掃除・配膳ロボット導入支援事業
  • 千葉市コミュニケーションロボット導入支援事業費補助金
  • 神奈川県ロボット導入支援補助金

それぞれどのような補助金か、詳しく紹介します。

東京都の介護施設等における掃除・配膳ロボット導入支援事業

東京都の介護施設等における掃除・配膳ロボット導入支援では、ロボットの導入による効果検証を行う介護施設に対して経費の補助を行います。

東京都内に所在する介護施設等が対象であり、補助金額は1施設あたり240万円、補助率は2分の1です。ロボット導入に必要な備品購入費や使用料、賃貸料が補助対象経費に含まれます。

ただし、対象ロボットは施設内の清掃もしくは、配膳や下膳を行う自走式のロボットのみです。

このほかにも細かい条件があり、実績報告書や交付申請書などの書類を提出する必要があるため、注意してください。

参照令和5年度介護施設等における掃除・配膳ロボット導入支援事業

千葉市コミュニケーションロボット導入支援事業費補助金

千葉市コミュニケーションロボット導入支援事業補助金は、コミュニケーションロボットを導入する事業者に対し、導入費用の一部を補助する制度です。

具体的には、千葉市内にある介護老人福祉施設や有料老人ホームの事業者などが対象として該当します。また、1台につき補助対象経費の5分の4を補助してもらえて、補助上限金額は100万円です。

補助上限台数は、1事業所あたり2台です。一方で施設の場合には利用者の定員数ごとで、以下の通りに定められています。

利用者定員数 基準台数
20名以下 1台
21名〜40名 2台
41名〜60名 3台
61名〜80名 4台
81名以上 5台

ただし、事情により基準台数を超えるケースで市長が特に必要であると認める場合には、基準台数を上乗せできます。

参照千葉市コミュニケーションロボット導入支援事業費補助金の募集について

神奈川県ロボット導入支援補助金

神奈川県ロボット導入支援補助金は、さがみロボット産業特区で商品化したロボットを導入する場合に限り補助金を受け取れる制度です。

ロボットを購入する場合、ロボット1台につき購入価格の3分の1を乗じた額が補助金額です。また、ロボットを製造元などから直接貸与するケースにも補助を受けられます。この場合には、当該年度における本体などの賃料総額の3分の1を乗じた額を補助金として受け取れます。

年度内の補助上限額は、1申請者につき100万円、補助上限台数は10台です。ロボット導入支援補助金交付申請書や事業計画書などの書類が必要となるため、必要書類を間違えないように注意しましょう。

参照【受付中】ロボット導入支援補助金のご案内

まとめ

ロボットSIerを利用すれば、現場にあったロボットの提案をしてくれたり、短時間でロボットを稼働させられたりと、さまざまなメリットが得られます。

一方で、対応しているロボットが限定的なのも事実です。ロボットSIerのメリットとデメリットから総合的に判断し、利用を決めましょう。

特に、ロボットの導入を効率よく進めたい方はロボットSIerの利用がおすすめです!「ロボファン」では優秀なロボットSIerを紹介していますので、お気軽にお問い合わせください。