配膳ロボットとは、障害物や空間を認識し、目的地まで安全に配膳をするロボットです。
近年、配膳ロボットを導入している飲食店が増え、導入を検討している企業も多いでしょう。
本記事では、配膳ロボットの導入事例を13個紹介します。ロボット導入後のイメージを具体的に理解できるように、それぞれの導入理由や導入した結果も解説します。
また、導入店舗でのスタッフやお客さまの評判もまとめました。お客さま視点でロボット導入のメリット・デメリットを理解できるので、導入を検討されている方はぜひ最後までご覧ください。
目次
配膳ロボットの導入事例13選
配膳ロボットは、新型コロナウイルス感染症の影響から、非対面・非接触での接客が可能だと注目を集め、導入店舗が続々と増え続けています。
ここでは、実際に配膳ロボットを導入した13例を紹介します。導入理由や導入後の経過を店舗ごとに、具体的に紹介しますのでご覧ください。
- ガスト(日本橋店)
- 幸楽苑(葛飾新宿店)
- 湯快リゾート 片山津温泉 NEW MARUYAホテル
- 焼肉の和民(朝霞台駅前店)
- はなの舞(阪急大井町ガーデン店)
- 焼肉きんぐ(板橋前野町店)
- サイゼリヤ(ダイエー大宮店)
- かっぱ寿司(川崎市ノ坪店)
- サッポロビール園(ケッセルホール)
- 山口歯科クリニック
- ベッラベーラ錦糸町店(錦糸町店)
- 和カフェ Tsumugi(ツムギ) アトレ竹芝店
- 和食のビストロ さくら咲く
ガスト(日本橋店)
ガスト日本橋店では、猫型の配膳ロボットの「BellaBot」が導入されています。
すかいらーくグループでは、少子高齢化などの将来的な採用難を見据え、配膳ロボットの導入を決定しました。そして、2021年11月頃から、2022年12月までの短期間で全国2100店舗に3000台もの配膳ロボットが導入完了。
導入後は、ランチピーク時の回転率が7.5%上昇し、片付けに要する時間は35%短縮されています。
店舗URLhttps://store-info.skylark.co.jp/gusto/map/018913
幸楽苑(葛飾新宿店)
幸楽苑葛飾新宿店では、従業員1人当たりの配膳・片付けの量が多く、不満の声が上がっていました。そこで、従業員の負担を減らすために「Servi」を導入。
従来では、下げ膳の際に何度も往復をしていましたが、下げる食器をServiに任せることで、往復する回数・移動距離・作業時間がすべて半分で済むようになりました。
配膳ロボットにより、労働環境の改善につながった事例です。
店舗URLhttps://stores.kourakuen.co.jp/21057
湯快リゾート 片山津温泉 NEW MARUYAホテル
湯快リゾート 片山津温泉 NEW MARUYAホテルでは、厨房からレストランフロアまでの配膳に10分以上かかる点に悩みを抱えていました。そこで配膳以外の人手を確保するために、配膳ロボット「Keenbot」を導入。
Keenbotにより1度に3品以上の料理の配膳が可能になり、配膳の効率化を実現した結果、従業員は接客や調理に集中できるようになりました。
店舗URLhttps://yukai-r.jp/newmaruya/
焼肉の和民(朝霞台駅前店)
焼肉の和民朝霞台駅前店では、ピーク時に案内や配膳が遅れてしまう課題を解決するために、役割別に「KettyBot」と「BellaBot」を導入しました。
具体的には、BellaBotで配膳・下げ膳を行い、KettyBotにお客さまの案内を任せる仕組みを構築したのです。その結果、従業員に余裕ができ、作業の効率化に成功しました。
種類の異なる配膳ロボットの活用により、複数業務の効率化を実現した事例です。
店舗URLhttps://yakiniku-watami.com/asakadai/
はなの舞(北千住店)
はなの舞 北千住店では、接客サービスの向上に加え、お客さまが衛生面でも安心できるよう、配膳ロボット「PEANUT」を導入しました。PEANUTを配膳と下げ膳で活用し、人にしかできないサービスを充実させることができ、従来よりも質の高いサービスを提供できるようになりました。
また、配膳ロボットの名前を募集し、従業員からもお客さまからも親しまれる環境づくりをしています。
店舗URLhttps://www.chimney.co.jp/eatery/detail.html?shop_code=283
焼肉きんぐ(板橋前野町店)
焼肉きんぐ 板橋前野町店では、お客さま1人当たりの注文数が多く、配膳に時間をとられ、十分に接客を行えない状況でした。
そこで、配膳ロボット「Servi」を導入。配膳ロボットが料理を席まで運び、お客さま自身で料理をとる形式に変更することで、従業員の負担を大幅に軽減。美味しい肉の焼き方をレクチャーするなど、独自の接客を行えるようになりました。
配膳ロボットの導入は、新しいサービスの提供にもつながります。
店舗URLhttps://www.yakiniku-king.jp/shop/215
サイゼリヤ(ダイエー大宮店)
サイゼリヤでは、下げ膳業務がスムーズに行われず、お客さまの待ち行列が発生していたことから「Servi」を導入。配膳は主に従業員が行い、下げ膳にロボットを積極的に活用するといった役割分担形式で、スムーズにお客さまを案内する仕組みを作りました。ロボットに下げ膳を任せることで、従業員が新しいお客さまの来店にすぐ気づけるようになり、お客さまの待ち時間短縮にもつながりました。
この事例のように、配膳ロボットはお店の回転率を向上するうえでも役に立ちます。
店舗URLhttps://shop.saizeriya.co.jp/sz_restaurant/spot/detail?code=1488
かっぱ寿司(川崎市ノ坪店)
かっぱ寿司では、ドリンク類の配膳のために、1卓の注文で何度も往復しなければならない効率の悪い状況が課題でした。注文の品数が多いと、トレーにドリンクをのせるスペースがなくなり、ドリンクのためだけに厨房へ再度戻る必要があったのです。
そこで「Servi」にドリンクの配膳を任せたところ、従業員が一度に運べる量が増え、厨房とホールの往復数が減少しました。また、従業員がドリンクを作ることに集中できるようになったため注文ミスがなくなり、従来よりも早く配膳できるようにもなりました。
この事例のように、配膳全般ではなく、ドリンクの運搬等の一部の配膳業務に取り入れるのも一つの方法です。
店舗URLhttps://www.kappasushi.jp/shop/0263
サッポロビール園(ケッセルホール)
サッポロビール園は、約800席を有する大規模なレストランで、大量の配膳に対する人手不足に悩まされていました。
そこで、配膳ロボットの「Servi」を4台同時に導入。複数台導入により効率的な配膳が可能となり、従業員の作業負担を減らすことに成功しました。また従業員が準備作業や接客業務など、ほかの業務に集中できる時間が増えました。
面積の広い店舗でも、スムーズな運用ができることが実証された事例です。
店舗URLhttps://www.sapporo-bier-garten.jp/hall/kessel.html
山口歯科クリニック(茨城県)
山口歯科クリニックは約450平方メートルもの広さがあり、従業員はカルテや医療器具を運ぶのに何度も往復していました。
クリニック内を動き回ることによる従業員の疲労を改善すべく、配膳ロボットの「Servi」を導入しました。導入前は会計時の待ち時間に15分程度かかっていましたが、導入後は5〜10分以内に抑えることに成功しました。さらに、Serviにカルテや医療器具の運搬を任せることで、従業員の移動時間を大幅に減らせたため「疲れや足のむくみが改善した」と喜ぶ従業員も。
Serviの導入により業務上の効果に加えて、従業員の身体的な面での効果も証明した事例です。
店舗URLhttps://www.gori-shika.com/
ベッラベーラ錦糸町店(錦糸町店)
ベッラベーラ錦糸町店は、ショッピングモール内に店舗を構えています。周辺にも飲食店があることから、お客さまの来店数増加や回転率アップが課題でした。
そこで、大型ディスプレイでの案内表示と配膳の両立が可能な「KettyBot」を導入しました。導入後はピーク時間で増員できない状況でも、配膳作業をロボットに任せることで、ゆとりのある営業を実現。従業員もおすすめのメニューの提案や、飲み物のおかわりをすすめるなど、お客さまへの気配りに時間を割けるようになりました。
また、KettyBotの導入後は、料理の受け取りや返却をお客さまが担当するシステムへと変更。慣れた様子で操作をするお客さまも見受けられるようになったことから、リピーターの増加も実感できる結果となりました。
店舗URLhttps://movia.jpn.com/shops/info/217169
和カフェ Tsumugi(ツムギ) アトレ竹芝店
小鉢の多い御膳や丼物のメニューが多くあります。そのため、配膳・下げ膳時の食器の量が多く、従業員はホールとキッチンを3往復する必要があり、労働負担面で課題がありました。
そこで作業環境の改善をするべく、配膳ロボットの「Servi」を導入。タッチパネルを操作するだけで、料理をお客さまの席まで運んでくれるため、配膳作業の負担が軽減されました。下げ膳作業でも、トレーにまとめて食器類を収納できるため、ホールとキッチンを1往復のみに削減できた点も大きな改善点でした。
この事例のように、配膳ロボットの導入により、業務効率と従業員の作業負担の軽減が期待できます。
店舗URLhttps://www.cafe-tsumugi.jp/shop/
和食のビストロ さくら咲く
配膳ロボットの「BellaBot」を導入し、お客さまの案内から配膳、下げ膳まで幅広い業務に利用しています。また、BellaBotにはイベントモードやくじ引きモードがあり、お客さまの誕生日を盛りあげるためにも活用されています。BellaBotの導入により、お客さまだけでなく従業員同士の会話も弾み、店内の雰囲気にもよい効果をもたらしました。
この事例のように、配膳ロボットを導入すれば、店内の雰囲気も明るくできるでしょう。
店舗URLhttps://sakurasaku-yamaguchi.business.site/
配膳ロボット導入店舗の評判
配膳ロボットを導入している店舗では、「ロボットなしでは現場が回らない」「1度に多くのお皿を運ぶのは大変だったが、配膳ロボットに載せられるようになり助かっている」と、店舗スタッフから高評価です。
またお客さまからも、「配膳ロボット同士がぶつかっている姿がかわいい」「びっくりしたけど未来を感じる」と、好印象な意見が多くみられます。
参照ロボットで高級店らしい「落ち着きさ」を取り戻す親密なコミュニケーションによって客単価が伸長
まとめ
配膳ロボットの導入店舗では、人手不足や従業員の負担が大きいといった問題を改善できています。
またスタッフやお客さまからも高評価である一方、店舗のターゲット層によっては導入が難しい場合もあるでしょう。
今回紹介した導入事例を参考に、それぞれの配膳ロボットの特徴を理解したうえで自店舗に合ったロボットを選びましょう。