医療技術は日進月歩で進化していますが、現在注目されているのがロボットを使った医療技術の向上です。
ロボットビジネスは多くの分野で注目されていますが、その中でも特に期待されているのが医療分野のロボットの活用です。
医療とロボットは一見すると関係なさそうに見えますが、その関係性は深く、以前から大きな期待が寄せられてきました。
ロボット技術が医療分野に大きく関わるという事には、どんなものがあるのでしょう?
ロボットと医療の関係
ロボットとは本来、人間の技術では構築することが不可能な場合や場面への対処、活躍をするために製造され、発展してきました。
精密機械の製造技術は、ロボット工学の発展と共に歩んできたといっても過言ではなく、日本でのその技術は世界でもトップクラスにあるといっても間違いではありません。
人間には難しい製造技術もロボットであれば可能で、そのレベルはとてつもないものにまで昇華されています。
そして、その精密な技術を医療分野に活用しない手はなく、ロボットは医療界でもその力を発展させ続けています。
実際にロボットを利用した手術や、人間のリハビリをサポートするロボットが登場し、今後さらなる技術の革新が期待されているのです。
現在ではロボットと医療技術は密接な関係にあり、切っても切れない関係でもあります。
ロボットが手術をする
アメリカが開発したロボットに、daVinci(ダ・ヴィンチ)という医療用ロボットがあります。
レオナルド・ダ・ヴィンチにちなんで名を付けられたこのロボットは、胸腔または腹腔内視鏡下手術用に開発された初めての医療用ロボットです。
それまでもロボットはありましたが、完全な手術用ロボットとして登場し、患者さんへの低侵襲手術を可能にしています。
低侵襲(ていしんしゅう)とは、体に副作用やメスを入れる度合いをできるだけ低くして治すという意味があり、通常は低侵襲医療と呼ばれています。
daVinciは、この低侵襲医療を目的として開発され、手術を行う医師をサポートしてくれ、実際に手術を行うのは医師であり、daVinciの操作を患者から数m離れた場所から処置を行います。
3つのアームとカメラを搭載し、医師はそのカメラを見ながら毛先ほどの細かい作業を、手振れ無しでアームを操作して行う事が可能です。
人間が直接手術をするよりも正確に行う事ができるのですが、実際に手が接触する感触はなく、医師の操作技術によっては大きく左右されてしまう報告もあります。
しかし、今後も医療用のロボットの開発は発展していく見込みがあり、それに伴って現在確認できる欠点も改善されていくと思われます。
人をサポートするロボット
ロボット開発の分野では、パワードスーツと呼ばれるロボットの開発が世界中で行われています。
パワードスーツとは現代医療では完治が難しい、脊髄損傷や何らかの問題で歩行ができない人の動作をサポートしてくれるロボットです。
筑波大学や松下電器などで研究が進んでおり、歩行が困難な人が歩くことができるようにする夢のようなロボットです。
人間が直接装着するものなので、厳密にいうとロボットと呼べるものなのか難しいところですが、医療に関連するロボットとして認知されています。
未来の医療はロボットにより支えられる
このように、ロボット技術は医療とは密接な関係にあります。
人間のサポートのために生まれたのがロボット技術であり、ロボットは私達の生活にも深く浸透し始めているのです。
今後は医療技術の向上と、厳しい状態にある患者をサポートするロボット技術が発展傾向にあり、今も開発が急がれています。