双腕ロボットとは?その特徴から利用用途・開発メーカーなどを解説

2つのアームを持つ双腕ロボットについて、その特徴や主な利用用途から開発メーカーの特徴及び導入の相場などを整理しました。

双腕ロボットとは

双腕ロボットは、2つのアームを持つロボットで、人間の両腕のような動きを模倣して様々なタスクをこなすことができる機械です。このタイプのロボットは、その柔軟性と多機能性から幅広い産業で利用されています。以下に、双腕ロボットの特徴と利用用途を示します。

双腕ロボットの5つの特徴

双腕ロボットには下記のような特徴があります。

2つの独立したアーム

双腕ロボットは、2つの独立したアームを持ち、人間のように協調して動かすことができます。

精密な操作

人間のような指の動きや関節を持つため、非常に精密な操作が可能です。

高い柔軟性

双腕ロボットは、様々な形状やサイズのオブジェクトを扱うことができます。

学習能力

AI技術の進歩により、双腕ロボットは機械学習や深層学習を活用して新しいタスクを学習することができます。

自律性

センサーやカメラを搭載しているため、状況に応じて自動的に動作を調整することができます。

双腕ロボットが利用される業種

双腕ロボットはその高い柔軟性と精密さから、多くの業種で活用されています。以下にいくつかの代表的な業種を挙げます。

製造業

自動車、航空宇宙、電子機器、家電などの製品の組み立てや検査、梱包、取り扱いなどの工程で活用されています。

医療業界

外科手術のアシスタントやリハビリテーション支援、医療機器の取り扱いや検査などで活用されています。

介護業界

高齢者や障害者の介護支援、リハビリテーション、移動支援などの用途で利用されています。

研究・開発

実験や試験の自動化、研究用機器の操作、試料の分析や取り扱いなどで活用されています。

食品産業

食品の調理や加工、梱包、品質検査、食材の取り扱いなどで双腕ロボットが利用されています。

教育

教育機関での実験や実習、プログラミング教育の一環として双腕ロボットが使用されています。

建設業界

建築やインフラ整備の現場での作業支援、建材の取り扱い、危険な作業環境での代替作業員としての活用が考えられます。

農業

農作業の効率化や労働力不足の解消を目指し、収穫や種まき、植物の管理などで双腕ロボットが活用されています。

物流業界

倉庫内での商品のピッキングや梱包、荷物の仕分けや運搬などで双腕ロボットが利用されています。

これらの業種において、双腕ロボットは人間の労働力を補完するだけでなく、作業効率の向上や安全性の確保にも貢献しています。今後も技術の進歩に伴い、双腕ロボットの活用範囲はさらに広がることが期待されています。

双腕ロボットメーカーとその特徴

双腕ロボットのメーカーは世界中にありますが、いくつかの代表的なメーカーとそれぞれの特徴を紹介します。

Yaskawa(安川電機)

日本のメーカーで、産業用ロボットやモータ、インバータなどの電気機器を製造しています。双腕ロボットの代表例として「SDAシリーズ」があり、高速・高精度な動作が特徴です。

ABB

スイスのメーカーで、産業用ロボットや電気機器の分野で幅広い製品を提供しています。双腕ロボット「YuMi」は協働型ロボットとして開発され、人間と安全に共同作業ができる特徴があります。

FANUC

日本のメーカーで、CNC(コンピュータ数値制御)機器や産業用ロボットを製造しています。「CR-35iA」は双腕ロボットではないものの、大型の協働型ロボットであり、重量物の取り扱いに適しています。

KUKA

ドイツのメーカーで、産業用ロボットや自動化システムを提供しています。双腕ロボット「LBR iiwa」は、軽量で精密な動作が可能であり、人間と協力して作業ができる特徴があります。

それぞれのメーカーが開発した双腕ロボットは、異なる特徴と利点があります。用途や目的に応じて、最適なメーカーと製品を選択することが重要です。

双腕ロボットを導入する際の相場

双腕ロボットの価格は、機能、性能、メーカー、および付属のオプションによって大きく異なります。一般的な相場としては、約1,000万円から3,000万円程度が目安となりますが、導入するシステムの規模や性能要件に応じて、価格はさらに上下することがあります。

ただし、双腕ロボットの導入費用には、ロボット本体だけでなく、以下のような要素も含まれることが一般的です。

ソフトウェア・制御システム

ロボットを制御するためのソフトウェアやハードウェアの費用。

エンドエフェクタ(ハンド部品)

作業に応じたエンドエフェクタやグリッパーの費用。

センサー・カメラ

環境や作業対象を認識するためのセンサーやカメラの費用。

インストール・設置費用

ロボットを設置し、動作確認を行うための費用。

教育・トレーニング

ロボットを操作・保守するための従業員の教育やトレーニング費用。

保守・サポート

定期的なメンテナンスや故障時のサポート費用。

これらの要素を総合的に考慮した上で、導入予算を検討することが重要です。また、導入後の効果やROI(投資対効果)を考慮し、適切な双腕ロボットを選択することも重要です。各メーカーに問い合わせを行い、見積もりや詳細情報を取得することで、正確な導入費用を把握できます。

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