コミュニケーションロボットとは、高齢者や子どもなどとさまざまなコミュニケーションをするために発話や歌、ダンスの機能が搭載されたロボットです。
本記事では、コミュニケーションロボットの活用シーンやおすすめ製品、導入の注意点を詳しく解説します。最後まで読めば、家庭・介護現場・企業別にコミュニケーションロボットの具体的な選び方を理解できます。コミュニケーションロボットの購入を検討されている方は、ぜひご覧ください。
目次
コミュニケーションロボットとは
コミュニケーションロボットとは、発話や動作、感情表現などの機能を使って人とやりとりをするロボットです。1999年6月に登場したAIBOが、コミュニケーションロボットの人気を高めました。
現在まで普及が進み、個人宅や飲食店など活躍の幅が増えています。特に介護現場にて、要介護者とのコミュニケーションや認知症対策のために導入が進められています。
コミュニケーションロボットはの活用シーンやメリットとは?
コミュニケーションロボットは、家庭から企業まで多くの場所で活躍しています。ここでは、具体的にどのようなシーンで活用されているかみていきましょう。
家庭で日々の生活に癒しを与えてくれる
家庭用のコミュニケーションロボットは、仕事や学校、育児で疲れた心を癒してくれるペットのような役割で活用されています。
1人暮らしでの会話相手や、共働き世帯の子どもの遊び相手など、コミュニケーションロボットはさまざまな家庭の日常で癒しを与えています。
高齢者とのコミュニケーションや薬の飲み忘れ防止
高齢者の1人暮らしにおいて、人と接する時間が少なくなってしまうことによる社会的孤立が問題として挙げられています。そこで、コミュニケーションロボットが、高齢者の話し相手になったり、ペットの代わりになったりすることで、孤独感を和らげることが可能です。
また、高齢に伴って物忘れが進むため、大切な薬の服用を忘れてしまうときもあるでしょう。そこでコミュニケーションロボットに薬の時間を設定しておき、飲み忘れを防止する役割としても活用されています。
企業同士でのコミュニケーションや接客
コミュニケーションロボットは家庭だけでなく、企業内でも活用されています。例えば、企業交流を目的に各企業にあるロボホン同士がコミュニケーションを取ることや、お客さまへの接客などです。
愛嬌のよさや接客力が認められ、現在では多くのオフィスやホテルの受付で、コミュニケーションロボットが導入されています。
コミュニケーションロボットが注目されている理由
コミュニケーションロボットが注目されている理由には、以下が挙げられます。
- 癒し効果
- 認知症予防・進行抑制
- 企業内での人材不足の解消につながる
1人暮らしの高齢者が家庭用のコミュニケーションロボットを購入すれば、発話する機会が増え、認知症の防止にもつながるため注目されています。
また、介護業界では人材不足が問題となっており、導入を検討している施設も増えてきています。なぜなら、コミュニケーションロボットに業務の一部を任せられるようになる分、人材をほかの業務に回せるようになるからです。
コミュニケーションロボットの選び方
コミュニケーションロボットは、人型からペット型までさまざまな種類があります。ここでは、用途別にコミュニケーションロボットの選び方を解説します。
家庭用
家庭用のコミュニケーションロボットは、家事のサポートと癒しのどちらを重視するかで決めるとよいでしょう。
家事のサポートを求めるのであれば、アラーム機能が備えられている人型のロボットを選ぶべきです。一方で、癒しを求めるのであれば、見た目が可愛く自分好みのロボットを選ぶと良いでしょう。
また、スマホ連携やWi-Fi接続機能があるのかもチェックしておきましょう。スマホからアラームやスケジュールを設定していれば、生活のサポートもしてくれます。
介護現場
介護現場に導入する場合には、癒しをメインとするのかレクレーションを担当してもらうのかなど、活用シーンに注目して選びましょう。
介護現場は人材不足が課題となっており、さまざまな用途で活躍するのがコミュニケーションロボットです。例えば、簡単な会話機能が搭載されたコミュニケーションに特化したロボットや、歌やダンスなどレクリエーション機能付きのロボットなど、用途別に提供されています。
大人数の相手を任せたい場合には、レクレーション機能が高いロボットを選ぶのが良いでしょう。
企業用
企業用でコミュニケーションロボットを導入するのであれば、使用用途を重視して選ぶのがおすすめです。例えば、お客さまカウンターで使用するのか、来客の待ち時間中の会話相手として使用するのかなどです。
また、使用用途に加えて、機能面も重視するとよいでしょう。企業向けのコミュニケーションロボットには、夜間の見回り機能やプレゼン機能があるロボットもあります。「人材が不足している業務を補強する」という視点で、コミュニケーションロボットを選ぶのもよいでしょう。
家庭用コミュニケーションロボットおすすめ10選
ここでは、おすすめの家庭用コミュニケーションロボットを紹介します。それぞれの特徴や使用用途について、詳しくみていきましょう。
Robi Jr.(ロビジュニア)|株式会社タカラトミー
Robi Jr.(ロビジュニア)は、世界的な日本人ロボットクリエイターである高橋智隆氏の監修のもと、株式会社タカラトミーから誕生しました。時間や日付に合わせて、話す内容が変化します。
また、問遊びやクイズなどで遊んでいくうちに、どんどん成長していく姿も可愛くて癒されます。コミュニケーションから子どもの遊びにまで対応してくれるので、共働き世帯の家庭におすすめのロボットです。
unibo(ユニボ)|ユニロボット株式会社
unibo(ユニボ)は置き型のロボットで、日常生活の提案やリマインダー、家電のコントロールをしてくれます。特に家電のコントロール機能を活用すれば、省エネの取り組みに役立ちます。
また、家族の一員として記念日や日々の出来事を記憶してくれるので、いつでも思い出を見返せるのも特徴です。
さらに、子どもでもプログラミングができるソフトウェア開発キットが搭載されています。そのため、好きな会話を登録したり、オリジナルのダンスを覚えさせたりと、さまざまなアレンジが可能です。
BOCCO emo(ボッコエモ)|ユカイ工学株式会社
BOCCO emo(ボッコエモ)は、2015年に発売されたBOCCO(ボッコ)をベースに、パワーアップしたコミュニケーションロボットです。
専用のアプリを利用することで、家族との通話ができるためコミュニケーションを活性化させてくれます。外出中に子どもやペットの様子を確かめたい方は、アプリと連結させるとよいでしょう。
Qoobo(クーボ)|ユカイ工学株式会社
Qoobo(クーボ)は、しっぽがついたクッション型のコミュニケーションロボットです。撫でる強さによってしっぽの振り方を変えてくれたり、気まぐれにしっぽを振ってくれたりして、動物のように癒してくれます。
また、Petit Qoobo(プチ・クーボ)は女性の手のひらサイズくらいの小さなモデルであるため、持ち運びしたい方におすすめです。可愛いしっぽが、あなたの日々に癒しをプラスしてくれるでしょう。
ロボホン|テックウインド株式会社
ロボホンは、気持ちを前向きにしてくれる人型のコミュニケーションロボットです。ロボホンは成長するロボットなので、できることがどんどん増えていきます。例えば、一人遊びでケーキ屋さんごっこができたり、読み聞かせをしてくれたりなどさまざまです。
また、専用アプリを利用することで、LINEでのメッセージ送受信やカラオケなどの機能が使えるようになります。日々のコミュニケーションを充実させるために、自分好みにカスタマイズさせましょう。
音声認識人形 おしゃべりみーちゃん|株式会社パートナーズ
音声認識人形 おしゃべりみーちゃんは、子ども人形型の会話ロボットで、主にコミュニケーションを目的として誕生しました。国内で唯一、本物の子どもの声で会話ができる音声認識人形です。
会話はもちろん、歌を歌ったり独り言をつぶやいたりします。孫と遊んでいるかのように楽しめるのが、おしゃべりみーちゃんの魅力です。
Omnibot OHaNAS オハナス|株式会社タカラトミー
Omnibot OHaNAS オハナスの名前には、家族と「おはなし」して、「はなしに花を咲く」という意味が込められています。2018年2月1日に新たな専用アプリが登場し、アプリ上で自然な会話ができるようになりました。
また、20種類の音声と200種類のフレーズで、楽しいコミュニケーションが取れます。オハナスで家族とのコミュニケーションをより豊かにしましょう。
Chapit(チャピット)|株式会社レイトロン
Chapit(チャピット)は愛らしいルックスで人気の高い、次世代型のコミュニケーションロボットです。コミュニケーション・レクリエーション機能やゴミの日登録、タイムサポートなど、珍しい機能がたくさんあります。
また、Chapitから2〜3メートル離れていても、テレビや家族の話し声などの雑音の中からきちんと音声を認識してくれます。
また、開発予定のWi-Fi機能を利用すれば、インターネット上の天気予報や交通状況などを知れるようになります。今後どのようなオプションが開発されるかもチェックしておきましょう。
Romi(ロミイ)|株式会社ミクシィ
Romi(ロミイ)は、AIが会話内容を作り出す会話AIロボットです。そのため、決まったフレーズが登録されているわけではないので、毎回異なる発言内容を楽しめる魅力があります。
また、Romiができる表情や動きは100種類以上あるため、会話をするだけでも十分おもしろいですが、表情や動きを観察するともっとRomiを楽しめます。
マイフレンドテディ|株式会社アガツマ
マイフレンドテディは、イギリス生まれのくま型のコミュニケーションロボットです。音声プログラムには「Siri」の技術が搭載されており、自由におしゃべりをプログラムできます。
また、マイフレンドテディは接触や動作をセンサーで感知するため、抱きしめられると喜び、逆さまにすると嫌がります。愛くるしい姿が子どもから人気を集めており、世界中で大人気です。
高齢者とのコミュニケーションにおすすめのロボット5選
ここでは、高齢者とのコミュニケーションにおすすめのロボットを紹介します。以下で特徴や使用用途などをみていきましょう。
BOCCO(ボッコ)|ユカイ工学株式会社
BOCCO(ボッコ)は、「座敷わらし」のように幸せを呼ぶ存在になるようにと開発されたコミュニケーションロボットです。
BOCCOの最大の特徴は、外出先から家にいる家族へ言葉を届けられる点です。また、付属の振動センサを玄関に取り付けておけば、ドアの動きに反応して家族の帰宅を教えてくれます。
おりこうのんちゃん|株式会社デジレクト
おりこうのんちゃんは、愛くるしい見た目が特徴の人形型のコミュニケーションロボットです。おりこうのんちゃんでは脳トレメニューが搭載されているため、認知症の防止につながります。また、会話や歌も得意で、季節や時間帯によってさまざまな曲を披露してくれます。
おりこうのんちゃんの脳トレ機能を活用すれば、健康的な生活を目指せるでしょう。
もっとおはなしダッキー|株式会社タカラトミーアーツ
もっとおはなしダッキーは犬型のコミュニケーションロボットで、「おかあさん」「ママ」など各家庭の家族名称で呼んでくれます。
もっとおはなしダッキーでは簡単な会話ができるだけではなく、「茶つみ」などの童謡を歌えます。また、決まった時間に寝て起きる機能があるため、アラームの役割も果たしてくれるのです。
犬が好きだけど体力的に世話をするのが難しい方は、もっとおはなしダッキーの購入を検討するとよいでしょう。
LOVOT(ラボット)|GROOVE X株式会社
LOVOT(ラボット)には、人を追従する機能があったり、反応速度が早く帰宅の際に迎えに来てくれたりします。少し大きめの猫くらいの体格なので、家にいても場所を取ることはありません。
また、LOVOTは特別な世話がかからないメリットもあります。可愛らしい見た目から、一人遊びの様子を見ているだけでも癒されるでしょう。
スマイルメディくん|株式会社デジレクト
スマイルメディくんは、薬を飲む時間を知らせてくれる薬箱型のコミュニケーションロボットです。約600種類の健康に関する会話パターンが収録されているため、健康の知識が手に入ります。
また、時間によってはスマイルメディくんから話しかけてくれるので、誰かと一緒にいるような気分を味わえるでしょう。
企業でのコミュニケーションにおすすめロボット3選
ここでは、企業におすすめのコミュニケーションロボットを紹介します。コミュニケーションロボットの特徴などについて、以下でみていきましょう。
Pepper(ペッパーくん)|ソフトバンク株式会社
Pepper(ペッパーくん)は、121センチの人型ロボットで、2014年6月5日にソフトバンク株式会社から誕生しました。Pepperの機能は多岐に渡り、企業内でのお客さまの出迎えや教育現場でのプログラムミング学習などで活躍しています。
Pepperのお客さま呼び込み効果は、ソフトバンク社の施策実施によると1.8倍あるといわれています。さらに、Pepperはユーザーのニーズに合わせてどんどん進化しているので、これからもどんな機能が増えるか楽しみなロボットです。
PARO(パロ)|株式会社知能システム
PARO(パロ)は、アザラシの形をしたコミュニケーション型介護ロボットです。PAROには本物の動物と同じように、人を元気づけたりストレスを軽減したりする効果があるといわれています。
そのため、福祉施設におけるセラピーのツールとして活躍しています。うつ病や認知症などの精神疾患を持っている方がPAROと触れ合うことで、言語障害が改善された例も報告されています。
PALRO(パルロ)|富士ソフト株式会社
PALRO(パルロ)は、PowerPointと連動したプレゼンテーションが可能で、さまざまな企業で活躍しています。事前に起動と終了時刻を設定しておけば、自動的にプレゼンの準備からシステムの終了まで行ってくれます。
PALROは研修で説明担当者の負担を減らしたい場合や、非対面型サービスを推進したい場合に、適しているコミュニケーションロボットです。
コミュニケーションロボット導入での注意点
コミュニケーションロボットを企業や介護現場に導入するときには、来客や要介護者への対応をコミュニケーションロボットに丸投げしないように注意しましょう。
人と関わるうえで、コミュニケーションロボットとの相性の良し悪しが必ず発生します。なかにはロボットに対して抵抗感がある人もいるため、様子を見ながら少しずつ進めるとよいでしょう。
まとめ
コミュニケーションロボットは、家庭内で子どもや高齢者とのコミュニケーション、学校での教育、介護施設でのレクリエーションなど多岐にわたって活躍しています。
コミュニケーションロボットは種類がたくさんあり、機能もさまざまです。活用シーンによって適切なロボットは異なるため、購入するメリットをよく考えてみましょう。この機会に、介護施設への導入や家庭用での購入を検討してください。