ロボットで助成金?注目の導入支援事業3選

様々な分野での普及が期待される「ロボット」ですが、その導入費用は未だ高額なため、現実的にロボットの導入を行っているのは大手企業に止まっている現状があります。

それに対し、国は「ロボット導入支援事業」という助成金制度を設け、企業におけるロボット導入促進を目指しています。

今回は、導入支援事業の中でもメジャーな3件をご紹介します。

経済産業省「ロボット導入実証事業」

経済産業省の「ロボット導入実証事業」は、2015年に定められた「ロボット新戦略」における“ロボット革命”の実現に向け開始した制度です。

“世界一のロボット利活用社会”を目指すことを目的としています。またこの事業では、これまでロボットが活用されることがなかった領域へのロボット導入の実証や検証も目的とされています。

この事業に採択されている事業は下記分野におけるものとされています。

  1. 労働生産性の向上
  2. 過酷作業
  3. 熟練作業の代替・支援
  4. 複雑・困難な作業のロボット化
  5. 三品産業(食品・化粧品・医薬品産業)におけるロボット活用
  6. サービスのバックヤード等におけるロボット活用
  7. 日常空間におけるロボット活用
  8. システムインテグレータの機能強化

これらのうち、ロボット導入実証補助事業については5000万円以下、ロボット導入における実現可能性調査の補助事業については500万円以下の助成金が充てられています。

厚生労働省「介護ロボット導入支援特別事業」

厚生労働省「介護ロボット導入支援特別事業」は、介護者の介護負担の軽減を目的とし、事業者の負担が大きい介護ロボットの導入を特別に支援するため、一定額以上(20万円超)の介護ロボットを介護保険施設・事業所へ導入する費用を助成する事業です。

各地域(都道府県及び市)において募集がなされています。

支援の対象となる介護ロボットの要件は、下記3項目を満たすことが求められています。

  1. 目的要件
  2. 技術的要件
  3. 市場的要件

目的要件

日常生活支援にける、移乗介護、移動支援、排泄支援、見守り、入浴支援のいずれかの場面において利用されること。

技術的要件

ロボット技術を活用し、従来の機器では実現できなかった優位性を発揮する介護ロボット、または、経済産業省が行う「ロボット介護機器開発・導入促進事業」において採択された介護ロボットであること。

市場要件

介護ロボットの販売価格が好評され、一般に購入できる状態にあること。

NEDO「ロボット活用市場化適用技術開発プロジェクト」

NEDO「ロボット活用市場化適用技術開発プロジェクト」は、ものづくり分野及びサービス分野を対象とし、ロボット活用に係るユーザーニーズ、市場化にむけた突破口を明確にした上で、新規技術開発に係るロボットの申請品を製品化し、さらに、システムインテグレータとの協業やロボット活用事例の周知を推進することで、ロボットの市場規模の拡大を目指す事業です。

事業の対象となる研究テーマは下記2項目です。

  1. ものづくり分野のロボット活用技術開発、及び、研究開発項目
  2. サービス分野のロボット活用技術開発

研究テーマの実施期間は3年間以内であり、助成額は1件あたり年間100百万以内(ただし、全期間で25百万円以上250百万以内)とされています。

助成金を活かした技術開発が期待されるロボット業界

ロボットの開発や導入への助成は、「ロボット新戦略」が定められたことで急拡大しているのが現状です。

助成金を活用したロボット開発はまだ始まったばかりであり、これまで滞っていた分野におけるロボットの開発の進展への期待が高まります。

これらの助成金制度を利用して開発されたロボットが、私たちの生活に身近な存在となり、より便利な日々を送ることができる日が到来するのは、そう遠くないかもしれません。

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